●やりたいことをやらなかった後悔

笙野の母親・悦子が上京した一方で、笙野の父親はどうなのかというと…。

妻が先に亡くなったとしたらまず自分の生活を心配しそうな、自分ではなにもしないタイプの父親。笙野に電話をかけてきたかと思えば、早く帰ってこさせろと怒る始末です。典型的な昭和の親父タイプで、笙野のルーツが垣間見える気がします。

一緒に出かけた田中さんと悦子ですが、悦子が観てみたかったという歌舞伎は満席だったため、レストランでおしゃれなスイーツを楽しむことに。そんななかで悦子は、これまで友人と遊びに行きたかったのに夫に反対されて行けなかったことや、家族のために自分のやりたいことをやらなかったことに対する後悔を話します。

悦子のように、自分のやりたいことを我慢し続けているうちに、気がついたら友人たちとは疎遠になっていて、老後に会える人がいない、なんて人も少なくはないでしょうし、他人事ではないと感じた人も多いのではないでしょうか。

●田中さんが悦子に伝えた“朱里の言葉”

そんな悦子に、田中さんは自分が朱里に言われた言葉を伝えます。

「ずっと来たかった場所に来られた、カフェで食べたケーキがおいしかった、好きな色のスカーフを見つけた、初めての国の文化に触れた。一つひとつは些細だけど、たくさん集めれば生きる理由になる」

詳しい事情は知らない田中さんですが、寄り添った言葉で悦子の心を自由にしていきます。また、気づかないうちに人を救っている田中さん。

そんな田中さんには絶対に幸せになってほしい、という気持ちが強くなってきますが、気になるのは恋の行方。想いを寄せる三好(安田顕さん)との関係に変化が生まれるのか、それとも笙野と…? そんな風に思っていたところ、笙野がお見合いをすることに! まだまだこの先が読めません…!