お金をかけなくても豊かな暮らしをしている人にクローズアップ。72歳ひとり暮らしのブロガー・紫苑(しおん)さんに、月5万円でも豊かな暮らしができる理由を教えてもらいました。「『今の私にとって、なにが幸せか』を考えたらお金はそんなにいりませんでした」と語る紫苑さんの暮らしの秘訣とは?

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紫苑さん
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紫苑さんがお金の現実に直面したのは3年ほど前。年金受給開始後も続けていたライターの仕事が、コロナ禍で激減したのです。

紫苑さんの支出表
紫苑さんのあるひと月(2023年5月)の支出表(紫苑さんの著書『72歳ひとり暮らし、「年金月5万円」が教えてくれたお金との向き合いかた40』より)

「年金の少なさ(月5万円)に呆然としました。お金に疎いばかりか『怖いから詳しいことは考えない』タイプ。でも、ただ困っていてもなにも解決しない。これは考えねば、と」初めての「老後」への焦りと不安に直面しつつ、試行錯誤が始まりました。

●金がないから不幸?「お金がないと楽しめない」のが不幸なんだと気づいた

「少なくとも月5万円は入ってくるんだ。当たり前なんですが(笑)、そう思ったら希望が持てた。なら、それをどう使おうか。そもそもお金がなくて困ることって、何だろう? と考えてみたんです」
それが次の3つ。

(1) お金がないことが恥ずかしい
(2) 欲しいものが買えない
(3) 病気になったら困る

「じっくり考えてみると、(1)はコロナ禍で見栄を張る場所も減ったし『もはやどうでもいいこと』。(2)も『買うこと』自体がエンタメになっていただけだった。改めてものを持つ意味や持ち方を考えるきっかけに。それより大切なのは(3)でしょう! と。結果、お金がないことが不幸なんじゃない。お金がないと楽しめないことが不幸だったんだ! と気がついたんです」。

こうして紫苑さんの「節約を楽しむ」暮らしが始まったのです。