白と青とナチュラルカラーを基調とした北欧スタイルの家に暮らす、刺しゅうデザイナーの青木和子さんは70歳。本当に好きなものだけを残したことで、暮らしが心地よくなり、ものを買うときは、これまで以上に慎重になったと言います。ここでは、青木さんのものを買う基準や、リビングのインテリアへのこだわりなどを教えてもらいました。
買う基準を明確にしたらものを捨てることは大幅に減りました
すべての画像を見る(全10枚)白を基調とし、木製の家具やグリーンがところどころに配置された、北欧スタイルの家に暮らす刺しゅうデザイナーの青木和子さん。
「白い食器や家具など、定番でずっと好きなものは、結婚当初から使い続けているものも多いですね。仕事柄、作品に使えそうなはぎれや珍しい素材などはたくさん取ってあるし、ものは少ない方ではないと思います。だからこそ、ものを買うときは基準を明確にして、増やしすぎないようにしています」
50代の終わりから60代にかけて、子育てが一段落したのをきっかけに、自宅を数回に分けてリフォーム。ものの持ち方を大きく見直す機会になったと言います。
「自分が住みたい“理想の家”をイメージして、それに合わないものは手放しました。本当に好きなものだけを残したことで、暮らしが心地よくなり、ものを買うときは、これまで以上に慎重に。買い物は楽しいし、大好きですが、本当に今の暮らしに合うかどうかをじっくり見きわめるようにしています。すると、日々の満足感が高まり、ものを捨てることも減りました」
●青木さんの買うときルール
1.白と青とナチュラルカラー
食器や家具、ファブリックの色は白かブルー。「あとは木製やグリーン、金属のシルバーに絞って、北欧風のナチュラルな空間に」
2.軽い、使いやすいにこだわる
暮らしの道具は、重かったり使いにくかったりすると出番がないまま結局手放すことに。「軽さや使いやすさにはこだわって選びます」
3.定番ってやっぱりいい!
凝ったデザインに目を奪われることはあっても、結局定番のシンプルなものに落ち着きます。「食器などは買いたせるのも定番のよさ」
●青木さんの持つ/手放すストーリー
20代:3年間の会社勤めののち、25歳でスウェーデンに1年留学しテキスタイルデザインを学ぶ。自然とのつき合い方やワークライフバランスにも感銘を受ける。帰国後結婚、子育て。この頃から家具や食器は白に統一
30代:33歳、家でできる仕事として刺しゅうの作品づくりを始める
40代:44歳で「おしゃれ工房」の表紙を担当するなど、刺しゅうデザイナーとして多忙に。仕事と子育てで、ものがもっとも多かった時期。黒の服が好きだった
50代:服のメインカラーを白と青(おもに紺)に決め、それ以外の色の服を手放す。震災ボランティアを機に、本の多くを図書館などに寄付
60代:子どもが独立し、自宅を3回に分けてリフォーム。「理想の家」に合わないものを手放す
70代:家がすっきりしたので、器やイスなど、新たに買い物したい気持ちが生まれてきた