日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「行為だけがすべてではないとわかってはいるんです」と切ない心境を語ってくださったのは主婦のみずほさん(37歳・仮名)。ひと回り年上の夫とレスに陥った原因は男性の更年期障害でした。詳しく聞いてみました。
親は猛反対!結婚相手はひと回り年上のバツイチ
緑と清流に恵まれた自然豊かな群馬県の某市にたたずむログハウス。ここで子育てをしながら、整理収納アドバイザーとしても活躍するみずほさんは、学生時代にバイト先の同僚だった男性と恋に落ちました。
すべての画像を見る(全4枚)けれど、相手は12歳も年上。しかも離婚歴があり、精神疾患を抱えていて、親からは大反対されるという難しい局面からスタートした交際でした。
●病気が原因で離婚された男
「夫と出会ったのは私が20歳のときです。当時32歳だった夫は、優しくて博識で気前のいい人。学生だった私から見ると、とても大人な男性に思えたのですが、夫は心の病気がありました」
気分が高揚する躁状態と気分が低下するうつ状態を繰り返す双極性障害。もともとは大企業のエリートサラリーマンだったというみずほさんの夫は、この病気のため仕事を続けられなくなってしまったそう。
さらに病気が原因で奥さんに離婚され、地元の群馬に戻ってきて、ファストフード店でアルバイトをしていたときにみずほさんと出会いました。
●カードローンに詐欺被害。お金の苦労は絶えないけれど…
「だれとでも気さくに話せる穏やかな性格の夫に私から惹かれていきました。ただつき合いはじめてからお金の使い方がグダグダすぎることに気がついたんです。極端な言い方をすれば、金銭感覚が崩壊している感じ。たとえば銀行に10万円が振り込まれると、全額おろしてあっという間に使ってしまうのです」とみずほさん。
しかし、その壊れた金銭感覚は躁状態によるものだと知り、一緒に病と闘っていく決意をしたそう。夫の温かい人柄が大好きだったから、迷いはありませんでした。猛反対する親を説得し、押しきる形で結婚したものの、躁状態になるとまるで別人のように見えるほど。一緒に病気を治そうという決意は何度も揺らぎそうになったといいます。
「精神状態がハイになると、いろんなアイデアが浮かんで眠れなくなるようでした。寝不足で判断能力が鈍っているとかいうレベルではなく、自分は大企業の社長かなにかのつもりでお金をじゃぶじゃぶ湯水のように使ってしまうんですよ、本当に苦労しました。躁状態がピークのときはカードローンまでして買い物をしてしまったこともあって。ただ『本当に怖いのは、ハイに振れた反動でうつへ急降下するフェーズに入った時』と医師からは言われていました」
激しい躁状態の時には手がつけられず、義理の両親と一緒に病院へ連れて行ったことも。こうした努力の甲斐もあり、徐々に回復者の道を歩み出した夫と3年の交際を経て結婚。すぐにかわいいお子さんも誕生しました。
●お人好しな元の性格が裏目に。だまされてばかりの夫
「毎日欠かさず薬も飲んで、きちんと気分の波をなるべく安定するように私自身も病気のことをしっかり勉強しました。それでも結婚して家族になってから、この病気の恐ろしさに直面する場面が何度もあって、結婚生活はお金に関するトラブルが絶えません」
本質的な根の部分がとても優しくてお人好しだったみずほさんの夫は、悪い人にだまされてしまうこともしばしば。
「マルチに霊感商法、宗教や投資詐欺みたいなものまで、ワイドショーなんかに取り上げられている類の怪しい人にはことごとく引っかかってきました」と明るく話せる理由は、夫がトラブルまみれになりながらも、周囲の人たちの助けがあったから。お金の心配こそ尽きないものの、幸せな新婚生活。しかし、突然、暗雲が立ち込めます。