画廊と美術館での学芸員経験をもち、現在は美術エッセイストとして活躍中の小笠原洋子さんは、高齢者向けの3DK団地でひとり暮らし。お金を極力使わないケチな生き方=「ケチカロジー」という言葉を生み出し著書も上梓している小笠原さんは、極力ものを持たないように暮らしています。今回は、お金に関する考え方について伺いました。

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小笠原洋子さん
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お金はあるだけあった方がいい?筋金入りの節約家に聞く「お金の考え方」

私はかれこれ20年ほど節約暮らしをしており、1日1000円での生活は自然なこと。そのルールを外すことはめったにありません。そこで、ついお金をたくさん使ってしまう方のことを考えて、使いすぎによる対処法をまとめてみました。

●お金と時間の使い方をしっかり考えてみる

お金の使いすぎを防ぐには、月々の収支を知るだけでも効果があるそうです。「ああ、こんなに使ちゃった。来月は少しでも減らそう」と思えればいい、と。支出を減らすという目的をもって、なにかやってみると、なおいいでしょう。日々の出費額を書き出して月々の合計額も書き出す。前月よりわずかでも減っていれば、励みになるでしょう。

お金を無駄にする人は、時間も無駄にする傾向もあるそう。毎日すべきことの時間配分を整えてみると、だらだら買うことも減るでしょう。

なお、お金持ちへの嫉妬と、見栄を張るためにお金を使うのは、いちばんつまらないことだと実感しています。嫉妬や見栄は、表面化しないので、この際こっそり取りやめにしてみましよう。

お金
※写真はイメージです

次に目標を決めて「貯める」ことです。すぐに買う快楽をちょっと抑えて、貯まるのを待つことに楽しみを見つけてみます。

またお金について学んでみること、その情報をしっかり収集してみることも大切。なにも理解しないまま安易に、資産運用はしない方がいいと思います。カード払いも便利だからと使いすぎには注しながら、お金を守るためにはしっかり使い方を意識することが必要です。

●お金は好き?嫌い?

ところで、お金はお好きでしょうか?

私は好きでありません。「じゃあ、いらない?」と問われれば、「いいえ、必要不可欠で、なければ生きていかれないから、好きじゃないんです」と答えます。

例えるなら、「あなたなしじゃ生きられない」とか「お酒がなければ生きられない」というように情けなさを感じるのです。「それとお金は別でしょう?」と言われそうですね。貨幣経済の世の中であり、それで全社会が成り立っているから、そう思うわけですよね。

でもそれだからといって、だれもが「お金大好き。お金持ちになりたい」と思っているかというと、そうでもない人もなかにはいるのです。お金があればぜいたくなこともできる、気持ちまで豊かになるかもしれませんが、なんでも手に入るのがいいことでしょうか。