旅行ジャーナリスト・小野アムスデン道子さんが、旅先で見つけたご当地のとびきりグルメや旅情報をご紹介。今回のご当地グルメは、北陸旅で訪れた石川・金沢で食べた、ほっこりと身も心も温まる「金沢おでん」。繁華街の一角、隠れグルメの小さなお店で幸せな気分になりました。
金沢の伝統を体験できるホテルと、優しいだしの「金沢おでん」
ひがし茶屋街などの江戸の風情が残る街並みや、金沢21世紀美術やKAMUといった現代アートが楽しめる金沢。
そんな金沢の繁華街にある「OMO5金沢片町(おも)by星野リゾート」は、生らくがんづくりや金箔レターづくり(1,000円)といったアクティビティが楽しいホテルです。
すべての画像を見る(全8枚)今回、新しく加わった「加賀水引」で「梅結び」をつくるという「りくつな水引体験」(1000円)に招かれて挑戦しました。3本の水引ヒモを選んで、教えてもらった結び方でぎゅっと締めていきます。こんな風にポチ袋につけるとなかなかきれい。ペンダントヘッドにも使えそう。
金沢片町は市内屈指の繁華街でグルメタウンの中心。夕食前の16時から1時間、ご近所を知りつくしているOMOレンジャーが、グルメや食文化をガイドしてくれる無料のツアーも開催しています。今回は、おだしや加賀の具材を使った「金沢おでん」を食べに行くと決めていたので、スタッフのゆきんこさんに「ご近所マップ」を前におすすめを聞きました。人気店は行列になることも多いのだそう。
●加賀野菜を使った絶品「金沢おでん」
ということで、今回は、同じ片町にある小さなお店が集まった穴場、「とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO」にある「季節おでん じゅん」へ。この場所には2015年まで神社があって、元の参道には、歓迎と若手オーナーのお店がここから羽ばたいてほしいという意味合いの「とおりゃんせ」の提灯がかかっています。
ここに出店した金沢生まれの店主・西村純也さんは、ミシュランビブグルマンの金沢老舗おでん屋で7年修行した実力派。金沢おでんは、食材に加賀レンコンや五郎島金時(サツマイモ)などの加賀野菜を使います。
また、金沢には江戸時代から日本海の交易で活躍した北前船の歴史があるため、だしは北海道の昆布。こちらはこだわりの羅臼(らうす)昆布にイワシ・サバ・むろアジの削り節をブレンドし、しょうゆは金沢の大野醤油のうすくち、練りものは手づくりです。
加賀レンコンとすり身のレンコンボールは、ふんわりもっちりした歯ざわり。優しい味わいのだしと、ボールからあふれるうま味がたまらない!
このほかに金沢らしい梅貝、くるま麩、サツマイモなどを中心に盛り合わせ(これだけ盛って1,280円)でいただきました。右は黄身がとろりとした「じゅんのたまご」(280円)。出汁は上品ながらしっかり味がしみこんでいました。(価格は2023年9月時点)
・季節おでん じゅん 金沢市片町2丁目23−6とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO
https://touryanse.info/