●じつは若い世代のほうが飲みに対して堅実かも?
私の肌感覚では、23時を過ぎた渋谷で飲んでいるのは40代以上が殆どな気がする。20代の堅実でマナーの良いこと。基本、調和を重んじる優しい子が多いですよね。
SNSなんかを見ていると、そんなことないよという界隈もあるんだろうけど、私達の頃を思うときちんとされている方が多い印象だ。お酒を2杯で止めて、22時には「そろそろ帰りますね~」っと、しっかりした足取りで帰っていく。頼もしいよ。
すべての画像を見る(全4枚)23時、見渡せば居酒屋には40代以上しかいないじゃないか…。
そもそも、アルコールを入れなくても楽しく会話できるのが人間の正しい姿だと私も思う。飲んで話しても翌日は殆ど覚えてないし、会話が良い方向へと深まることもないと、これまでの経験から言えるもの。飲みニケーションも一理あるけど、まだお天道様の高い時間帯に話を進められてこそプロだとも思う。とはいえ、お酒の席は楽しい。一年に一回くらい、羽目をはずして飲むことも許してね。
●ほどよく飲む日を楽しめるのも40代
おいしいお酒を少し飲んで早めに帰ることに成功した日は、とても幸せだ。
先日、友人と食事をして季節の日本酒をお酌しあいながら、ゆっくりとその美味しさをかみしめた。日本酒おいしい季節だねえ。
「徳利もう一本いっとく?」
「うーん、今日はもう帰りましょう」
彼女も40代である。
「そうやな、また今度にしましょう」
その日は、まだ早い時間に帰ってきた。帰ってから一本エッセイが書けそうなくらい余裕な飲み方だった。話した会話も、お酒の銘柄も、味も、覚えている。
もうちょい飲みたいな、の手前で帰ること。いやあ、それができたらプロです。そして、また近いうちに健康的に飲むといいなと思うのだ。
本連載をまとめた書籍『暮らしっく』(扶桑社刊)が発売中。