リノベのプロ・村上さんに質問
すべての画像を見る(全21枚)村上さんがツバメクリエイツ設立に至ったきっかけは、1回目のリノベ。「前職では店舗の設計やデザインを行っていました。自宅をリノベしてみると『自分なら店舗設計の知識や技術を生かして、住まいのリノベでもっと価値提供できる』と感じて、それなら…と独立に踏み切りました」。
トレンドや気になる素材・設備を取り入れて自邸で“リノベ実験”を繰り返す村上さんに、何回目のリノベが気に入っているか聞くと「いつも今の家がいちばんいいと感じています。お客さんにも、もっと気楽に住み替えを楽しめるような提案をしていけたら」と話してくれました。
1.以前の住まいではどんなリノベを?
家族構成やライフスタイルがどうなるかわからないうちに、自分たちにジャストな広さや間取りを決めるのは難しい。だからヤドカリみたいに「今」にフィットする家にその都度住み替えるのが合理的でいいのではないかと思うんです。
うまく売却できるか、不安もあるかもしれませんが、そこで生きてくるのがリノベ。リノベで付加価値のある住まいをつくり出せればその心配も少なくなり、住み替えを楽しめます。
インテリアに合わせて家具を選んでいるので、住み替えるたびに家具も総入れ替え。家具つきでの売却という点も好評だそう。
2.気に入っているパーツや素材は?
今回のリノベは「ツバメクリエイツの標準リノベプランをベースにして、ここまでできる」ことを示したかったので、高価な素材や凝ったデザインを採用しているわけではありません。
写真のリビングとフリースペースとの境に設置した、開閉式の大きな室内窓はお気に入りのひとつです。
こちらはダイニングの壁に採用した木毛セメント板。凹凸と陰影が美しく、アートやオブジェが映えます。
本当に細かい部分なんですが、キッチンとLDの見切りは、ステンレスにするか真ちゅうにするかで悩みました。結果、ステンレスにしましたが、すごく気に入っています。
リビングの壁とキッチンの腰壁はモルタルで仕上げてラフな印象に。
エントランスはオーク材の板張りに。床と同じオーク材だが、あえて表情が異なる木目をチョイス。LDのモルタル壁や廊下の板張りの壁など、アクセント的な素材を使うことでいい感じに仕上がったなと自負しています(笑)。
●村上貴之さん
1982年宮城県生まれ(40歳)。店舗設計などを数多く手掛けたのち、2014年にツバメクリエイツを設立。「古くて新しい」をキーワードに、埼玉県内を中心にリノベーションの設計・施工を展開する。妻は同社でインテリアコーディネートを行っている