人口約34万人のヨーロッパの小国・アイスランド。北欧諸国のなかでもなじみの薄いイメージがありますが、じつは火山と温泉があり、夏には地面に美しいコケが生える…と、日本と意外な共通点をもつ国です。
ここではフィンランド人の夫をもち、北欧文化に詳しいルミコ・ハーモニーさんに、アイスランドについて教えてもらいました。
「二面性」をもつ国アイスランド!知られざる自然や文化とは?
●アイスランドの自然
アイスランドは北欧のなかでもかなり北に位置し、冬は真っ白な雪に包まれます。一方、夏は雪が溶け、一面に苔が生え、緑に包まれます。また火山があるゆえの岩や温泉も特徴。
アイスランドの国旗は、青地に白の縁取りのある赤い十字。色はそれぞれ、赤は火山の火を、白は雪と氷河を、青は遠くから見える山を指すそうです。
●二面性をもつ国
世界有数の活火山と、ヨーロッパ最大の氷河を有するという二面性。夏はほぼ日が沈まない「白夜」が続き、逆に冬は長くて暗い夜が続くという「光と闇」の二面性。
夜空に出現するオーロラも、いつ現れいつ消えるかもわかりません。そんな予想外な自然環境も、アイスランドの特徴のひとつです。この二面性や意外性は、国民性にも影響を与えていると言われます。
●男女平等やLGBTの権利に関して先進的
世界経済フォーラムによる2018年版グローバル・ジェンダーギャップ報告書(Global Gender Gap Report 2018)で堂々の1位議会の議席や専門職や技術職などで、男女ほぼ同数。さらに、LGBT権利に関してももっとも進んだ国です。2009年には、同性愛を公言しているヨハンナ・シグルザルドッティル氏が首相に選ばれました。
同一性で所帯をもつパートナーシップは1996年に法制化され、2010年には、同一性の結婚が合法になっただけでなく、結婚に関して性差は関係なし、という立場を認めています。つまり、異性愛者同士の結婚と同性愛者同士の結婚の間には法律上の区別はなにも存在しない、ということです。
毎年開催されるレイキャヴィク・ゲイ・プライド・フェスティバルは、一種の国民的行事として大々的に開催されており、参加者数は、全国民の約1/4に達します。
ちなみに、現在の在日アイスランド大使も女性です。
●映画『たちあがる女』あらすじ
そんなアイスランドの自然や文化を感じることができる映画『立ち上がる女』が日本でも公開になります。
主人公は、アイスランドの田舎町に住むハットラ。セミプロ合唱団の講師をしつつ、一方で知られざる謎の環境活動家“山女”として、密かにアルミニウム工場に対して、孤独な闘いを繰り広げているという二面性をもちます。あるとき、長年の願いだった養子を迎える申請が受理されたのですが…というストーリー。
実際に旅行するとなると遠いアイスランドですが、気軽に映画で「数時間トリップ」してみるのもいいのではないでしょうか。
●映画『たちあがる女』
監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン『馬々と人間たち』
出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル、ヨハン・シグルズアルソン、ヨルンドゥル・ラグナルソン、マルガリータ・ヒルスカ
2018年/アイスランド・フランス・ウクライナ合作/アイスランド語/101分/
カラー/5.1ch/英題:Woman at war/G/日本語字幕:岩辺いずみ
後援:駐日アイスランド大使館
3月9日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
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