日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「ネットに“さみしい”とか書き込んじゃいけないと知らなくて…」と語るのは康子さん(仮名・44歳)です。結婚直後からレスになり、女性としての人生が終わったと感じていた頃の心境をお話してくださいました。
すべての画像を見る(全4枚)寂しい新婚時、心の拠りどころはネットの掲示板だった
まるでホテルの一室のような北欧調のセンスのいい家具でそろえられたリビング。「ここは私の仕事場としても活用しているので…」という康子さんは、インテリアコーディネーターとして独立して8年目になるそう。
「大学は建築学部だったんですが、就職活動のときに少しでも有利になればいいなと思ってインテリアコーディネーターの資格を勉強しているうちに、どっぷりハマってしまいました。夫も同じ大学で同じ学部の先輩です。交際中は学生同士、まだ若かったこともあって結構うまくいっていたのですが、生まれも育ちもぜんぜん違うので、結婚となってからが大変でした」と康子さん。
●結婚式の日は近所の人が乗るバスが出る
康子さんの生まれ育った中部地方のご実家は、とてもご近所づきあいが濃厚だったといいます。
「結婚式のときには、その家から近所の人が乗るバスが出るんです。幼い頃からそれが当たり前だと思っていたし、私も招待されたりしていたから、自分の式にも呼びたいという話を東京出身の夫にしたらビックリされました。『親族や友達はわかるけど、近所のおじさん、おばさんを招待?』って。何度説明してもピンと来ていない様子で…。だから結婚式の打ち合わせをはじめたあたりから大モメですよ(笑)」
結局、夫が康子さんに合わせる形で折れてくれて、招待客の人数は5:2くらいの比率というかなりアンバランスな状況ではあったものの、盛大で温かい式を挙げることができたそう。けれど価値観の違いが明るみに出て、不安を覚えたといいます。
●ネットの掲示板に書き込んでみた…
「仕事の休憩中によく見ていた会員制の掲示板があるのですが、そこにふと夫との結婚式のやり取りの件を書き込んでみたんです」と康子さん。
すると、結婚式にご近所さんを招待することは“田舎あるある”の少数派だったのです。掲示板には、夫と同じように驚いた反応をする都会の人、私と同じようにご近所さんを呼んで式を挙げたという人、どっちの気持ちもわかるという人など、すごく多様な意見があふれて盛り上がったといいます。
「自分が当たり前! と信じていたことがそうではなかったと知り、反省しました。それにご近所との関係がドライで、地域の行事に参加するのも嫌と考えている東京の人の考えを読んでいたら、夫の気持ちをすごくリアルに理解することもできました」と康子さん。
夫婦間のトラブルは、なかなか職場の人には話しづらいもの。それに当時は康子さんも会社勤めをしていて仕事が忙しく、友人と会って気兼ねないおしゃべりする時間もなかなか取れなかったといいます。こうして、康子さんはますますネットの掲示板にハマっていきました。