都心のマンションに暮らしていた夫婦が、出産とテレワークを機に、かつて妻の親族が暮らしていた昭和の別荘風の家に暮らすことに。そこで購入費用が不要なぶん、海外旅行が好きの夫婦が好きなテイスト&室内にいても周囲の自然を感じられる家になるようリノベーションしました。パントリーは地中海の小さな食堂の食料庫、コートクロークは英国のアンティークショップ…。スペースごとにテーマを設けた、こだわりの住まいに大変身!
すべての画像を見る(全23枚)「昭和の別荘風」を自分たちらしいテイストにリノベ
Mさんの家 神奈川県
- ・家族構成:夫40代 妻30代 長女2歳
・築年数:27年(1996年築)
・延床面積:134.97㎡(1階81.98㎡、2階52.99㎡)
・工事費:3000万円(外構工事費・税・設計料込み)
・設計・施工:フィールドガレージ
ゆるい坂道を上りきった先にあるMさん一家の戸建ての住まい。建物の裏手には竹林が広がり、周囲は静寂そのものです。夫妻がこれまで暮らしてきたのは、都心の渋谷に目黒と、これまでとは正反対の立地でした。
通勤に便利で近隣には友人も多く暮らし、「夜はいつも飲み歩いていました(笑)」と夫。そんな夫妻が長女を授かり、生活は一変。
「当時の住まいは50㎡ほどのワンルームで、子どもが寝たあとは小声で話すなど、音を立てないように気を使う毎日でした。ちょうど夫のテレワークが始まった時期とも重なり、都心を離れて広い住まいへの引っ越しを考えるようになったんです」(妻)
物件探しをしているうちに、この家をリノベーションして暮らすというプランが浮上しました。ここは妻の親族が代々所有する土地で、建物は27年前に祖父母が建てたもの。
広い庭のあるこの家ならのびのびと子育てができるうえ、購入費用が不要なぶん、リノベの工事費に予算をかけられることも魅力でした。
夫にとってはなじみのない土地でしたが、「東京に長く暮らして、そろそろ違う場所にも住んでみたいという気持ちに。これまでは楽しみを家の外に求めていましたが、子どもの誕生とコロナ禍をきっかけに、自然を身近に感じられる居心地のいい家で過ごしたいと思うようになりました」(夫)
古めかしさのある「昭和の別荘風」だった既存の建物を、自分たちらしいテイストにすること。また、室内にいても周囲の自然を感じられることをメインテーマに、リノベーションのプランを練ることにしました。
地中海風の「土色」をイメージして珪藻土で仕上げたパントリー。「安心して食材のまとめ買いができるようになりました」と夫。
妻はあれこれ配置換えをするのが楽しいそう。奥の電気温水器があった場所は勝手口に。
キッチンにモルタルを取り入れたいという希望は、質感の近いモールテックスの腰壁で実現。
インスタグラムで知ったオーダーキッチン会社「LAアーキテクツ」のステンレスキッチンを採用。背面側の収納は造作しました。正面左手は水回りへの動線です。