●世間の人々に追いつめられ、少しずつくじけていく心

炎上
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さらに、彼らはある意味、注目の的。乗客たちのまとめページがつくられ、実生活に支障が出るほどです。顔写真はネットにアップされますし、萱島は店の場所も特定されます。実際に現実世界でそこまでするのか…? と疑問は持つところですが。

好き勝手言いたい放題の世間に呆れる萱島。「最低でクソみてえなところ」と吐き捨てます。さらに、ワームーホールに触ったのが原因なのか、利き手はものをつかめなくなり、目も見えなくなっていく。そして、自分と弟を捨てた母親が、いい母親ぶってインタビューに応えている。萱島は追い込まれていくばかりです。

そんな萱島に発破をかけていた白浜にも災難は訪れます。火事現場での消防活動中、YouTuberたちが現れ、白浜を生中継、さらにツーショットで自撮りをしようとします。思わず振り払おうとした白浜。相手が転んでしまい、結果、暴力をふるったと大炎上。いやいやいや、悪いのはYouTuberでは!? となりますが、その光景に白浜の心は折れます。

「最低だな、ここは。こんな世界、もう終わればいい」

その瞳から光が消えるさまは、観ている人に大きなショックを与えます。そんな気持ちを代弁するかのように白浜の肩を掴む萱島。

「お前が言っちゃダメだ」

自分では、クソみたいなところだと言い、どうなろうと知ったことじゃない、終わればいい、と嘯いていても、彼は白浜を信じていたのです。白浜がいれば大丈夫、と。

そもそも、炎上をしているのを知って白浜に会いに来ていること自体、すべてをどうでもいいと思っているのではないと分かります。

少しずつくじけていく乗客たちの心。果たして運命の日を彼らはどのように迎えることになるのでしょうか。