まだまだ日が沈むのが早い2月。街や野外イベントなどで、冬ならではの暗闇に輝くイルミネーションを楽しむ方も多いのでは。
「冬は空気が乾燥して澄んでいるから、イルミネーションがきれいに見えます。ポイントさえ押さえれば、きれいな輝きを写真に撮れますよ」
そうアドバイスしてくれたのは、写真教室を主宰する西村りつ子さん。
冬の風物詩、イルミネーションをきれいに切り取る方法を教えてもらいました。
イルミネーションを写真に撮って、思い出に残そう!
●ポイント1:夜より日没直後!「ブルーアワー」を狙って
「イルミネーションの撮影=夜」と、思われがちですが、おすすめの時間帯は夜ではなく、まだ少し明るい日没直後の数十分です。理由は、写真を見れば一目瞭然。
いかがですか? 夜撮る写真とはひと味違い、風景が深い青色に染まっています。この写真は川があるところなので、空の色が反射して、一面が同じ色調になりました。幻想的な雰囲気です。
短い時間ではありますが、夜では撮れない写真が撮れるこの時間を「ブルーアワー」と言います。自然が見せてくれる、数十分の芸術です。
こちらは夜の写真。
こちらはブルーアワーの写真。まさに群青色の世界。こんなにも雰囲気が違います。
イルミネーションを見に行くときは、ぜひ早めの時間から出かけて、ブルーアワーを狙ってみてくださいね。
●ポイント2:人混みで撮るときは、アングルに気をつけて!
イルミネーションのイベントで人気のある場所は、人でいっぱいになっています。そんなとき、どう切り撮ればよいでしょうか。
電飾に寄って撮影してみましょう。そのとき、周りの雰囲気がわかるアングルを探すのがおすすめです。
こちらの写真は光のトンネル内で撮影したのですが、右下にトンネルの先を少し入れることで、このイルミネーションが大きく、撮影者がイルミネーションの中にいることが伝わります。また、人混みの様子をほんの少しにしたことで、混雑具合も気にならない程度になりました。
また、イルミネーションだけを切り撮るように、人の頭が入らない位置を探すのもおすすめです。その際は、構図を気にかけるとおしゃれな写真に。
この写真の場合、対角線構図を意識しました。写真の右上から左下にイルミネーションが流れるように集結しています。
●ポイント3:人とイルミネーションを撮るときは、玉ボケを狙って!
キレイと思って、「ここに立って!」とイルミネーションと写真を撮っても、「あれ? 見ているとおりに撮れていない?」とがっかり…。実際に見ているイルミネーションより、光が小さくなって、きれいに撮れないなんてことはありませんか?
そんなときは、イルミネーションから少し離れたところに立ってもらい、自分は被写体に近づいて撮影してみてください。イルミネーションが玉ボケになって、光の粒が大きく写ります。
そしてもうワンランクアップの写真にするには、一面がイルミネーションになる場所を探すこと! 上の写真と比べて光の粒が多く、光に囲まれている様子が幻想的です。
このとき、被写体に動かないようにじっとしてもらうのもポイントです。夜の写真はぶれやすいので、撮る方も、しっかりかまえるか三脚を使いましょう。
ぜひイルミネーションと写真を一緒に楽しんで、すてきな1枚を撮ってください。