介護予防や親の生活の把握。一緒に片づける「メリット」5つ
毎度口ゲンカが絶えず、肉体よりも精神的疲労でまいってしまう実家の片づけですが、それでも少しずつ継続して行なっているのはメリットと思えることがあるからです。私がこれはよかったと思ったことは主に5つあります。
●1:介護予防になる
すべての画像を見る(全4枚)一緒に片づけることで危険なものや場所の把握ができ、未然に事故を防ぐ、手を打つことができます。転倒しそうな場所を片づけておけば、将来の骨折の危険を減らせます。
私の場合は、引き出しから古い薬や飲み忘れた薬が大量に出てきたことで大切な薬が飲めていないことに気づきました。毎日服薬を確認し、親の高血圧や糖尿病の数値が改善しました。
親の住まいが安全で暮らしやすくなったことで生活の質もアップし、なにかが起こる前に手を打つことでケガや事故を未然に防ぎ、介護の手間を減らすことにも繋がっていると思います。
●2:家財や大切なものの所在を把握できる
通帳や印鑑の場所、価値のあるアクセサリーなど本人から話を聞いておけば、いざとなったときに困りません。「これは〇〇にあげて欲しい」など、親の思いを知ることができたりもします。なにより、どこになにがあるかを知っていることで、探す手間が省けます。
●3:親の歴史、価値観を知ることができる
デメリットでもある思い出話はメリットでもあります。親の幼少時代の思い出や結婚話、出産の思い出などは自分にとっても貴重な情報。親が通った道は自分の人生の参考にもなります。過去と未来は繋がっているから、そこを踏まえてこれからの生活をどう考えているのか、親の価値観や希望が聞けたことで、なにかあったときは本人の意向に沿いながら今後の選択をすることができます。
●4:親の生活がわかる
作業しながら何気ない話をよくします。生活の雑多な話が聞け、そこから親の生活が垣間見えることもありました。雑談は無駄ではなく、これからの生活を考えるヒントにもなり、親にとっては会話のキャッチボールが脳トレ、刺激にもなって生活が少しアクティブに変わりました。
●5:節約につながる
実家を片づけているとサランラップやアルミホイル、キッチン用品、掃除グッズなどたくさんの在庫にうんざり。けれど「これもらっていい?」と少しずつもらって使えば自分の生活の節約にもなり、親も「役立った」と喜びます。
また、自分では買わない品物をもらい受け、お試しで使ってよかったと思うこともありました。有効に活用してものが減っていくのはうれしいです。ものが減れば将来かかる処分費用も減らせます。
●片づけが無理でも親子が繋がることにメリットは多い
一緒に片づけを始めて「親のことを知っているつもりで、じつは知らないことが多かった」ことに気づきました。
元気なうちは自立して生活できるので問題は少ないけれど、入院や介護施設にお世話になる場合は様々な準備が必要になります。それは多分、親自身ではなく子どもが代行する場合が多いでしょう。親子のコミュニケーションがとれていたら、大変な出来事の負担が少し軽減するかもしれません。
「いざとなったらどうして欲しいか」など、普段なら聞きにくい話も作業中にきっかけをつかんで確認しておくことで、後々迷いや後悔を減らせるのではと思います。
とはいえ実家は親の住まい、片づけを無理強いすれば信頼関係にヒビが入ります。片づけは無理でも親のためになにかしたいなら、親の生活や考えを知ること、思いを確認できる時間を共有することです。それは片づけよりももっと大切なことのように思います。