日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。「夫とじゃれ合うことはあっても、もうそこまでの行為に至らなくなっています」と話すのは、夫婦共働きで二人の子どもを育てた主婦の直子さん(仮名・55歳)。レスの始まりは42歳、直子さんご自身がくも膜下出血を患ったことだったそう。詳しく伺いました。

◆前回のお話はこちら!

30代セックスレスの末に決断した「夫婦解消」。離婚しても近くに住みたい理由:彩乃さんの場合2
なぐさめ
妻の病気で、セックスどころではない事態に…※写真はイメージです(以下同様)
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40代で感じた体の不調。大きな病気の予兆?

私が夫と結婚したのは25歳のとき。先輩の結婚式の二次会で知り合ったのが、夫でした。年齢は私より1つ上。結婚して翌年には男の子が、そして3年後には女の子が誕生し、子育てと仕事の両立に奔走しながらも、幸せな日々を過ごしていました。

●私の人生は平穏そのものだと思っていた

産後も夫との夫婦仲は良好で、月に1、2回はきちんと夫婦生活をしていました。子どもたちも元気にすくすく成長し、子育ての大変さはそれなりに感じていましたが、夫も私も事件や事故、不倫や人間関係のいざこざに巻き込まれることもなく、平穏無事な年月が流れていったのです。

ところが、子育てから少し手が離せるようになったた頃、私が思わぬ病気になってしまいました。産後、もといた会社に仕事復帰をしてから10年くらいが過ぎようとしていた、42歳のときの話です。

●健康診断でいつもより少し高かった血圧にいやな予感

血圧

春に受けた健康診断で、血圧がいつもよりも少し高めに出ました。計測してくれた看護師の女性が「上が140…。いつもこのくらいですか?」というので、「例年だと上が120で下が80くらいの平均的な数字なんですけれど…」と答えると、「もう一度計ってみますね」といって2、3度やり直しに。

何度計っても高めに出るので、少しおかしいなと感じたのです。このとき、問診した医師からは「気になるようなら病院へ行ってみて」という程度の指示でした。

じつは当時、私は仕事上で深刻な納期問題を抱えていて、それがものすごく大きなストレスになっていました。工場とお客さんの間で板挟みになって、常にピリピリしている状態。ランチのときに同僚に「血圧がやたら高かったんだよね」というと、「納期問題のせいでプレッシャーかかっているからだよ。うちの部の今月の売り上げが、直子さんの両肩に乗っかっちゃってるもんな~」と冗談交じりに言われてしまったほど。

後日、戻ってきた健康診断の結果には、血圧の欄には基準値より高めを示す「H」の文字と、要経過観察の文言。40歳を過ぎて、血圧以外はなにも引っかかっていなかったので、まぁ年齢的にもこんなものかなと思って病院へも行かずにそのまま放置。それから数日後、まさかの事態に見舞われてしまったのです。

●絶対絶命の危機!「トイレの個室じゃ、だれにも発見してもらえない」

倒れる

朝礼を終えて、コーヒーを飲んで、パソコンを開いて…。それは、いつもと同じように仕事が始まった朝のことでした。10時の休憩時間になり、トイレへ。便座から立ち上がった瞬間に後頭部をバットで殴られたかのような大きな衝撃を受けました。

なにこれ…? とパニックになりつつも、よろけるように倒れる瞬間「やばい、個室のなかじゃ、だれにも見つけてもらえない」と思いました。最後の力を振り絞って、なんとか鍵をガチャガチャしながらやっとの思いでこじあけました。

半開きの状態にになったドアの隙間から、見えた蛍光灯の光…。すぐに「倒れてる! 人が倒れてる! だれか!」とざわつく声が聞こえて、あぁ、これで助けてもらえる! とホッとしたところで気を失いました。