日本では6割の夫婦が陥るといわれているセックスレス。「恋愛と結婚は別っていうけれど」と語ってくれたのは主婦の翔子さん(仮名・52歳)。レスに悩んでいたところ、仲のいい女友達グループの4人も同じくレスに…。50代になってそれぞれの夫婦の選択とは?
不倫相手にのめり込んで、ストーカーになった私
夫と子どもを置いて、不倫相手のAさんと温泉旅行へ出かけた私。
たぶん、Aさんは奥さんにバレたんでしょうね。箱根のとき「サッカー部の仲間と旅行へ行く」と言って家を出てきたそうなのですが、深夜に出発して写真もない、お土産もない、そんな旅行はどう考えたっておかしいですから…。
●夫は私に無関心。もう寂しさも感じなくなった
一方でそんな不倫旅行に、わが家の夫はまったく気がついていませんでした。私に無関心なんだなと思いましたが、私の気持ちは夫よりもAさん。
すべての画像を見る(全6枚)ところが旅行以降、Aさんにメールしても返事がなくなり、電話しても出てくれなくなったのです。私はたまらずAさんの会社で待ち伏せをしました。退社時間になり、Aさんを見つけて声をかけると、私に気がついていたのに目を合わせることもなく無視。なんとかよりを戻したいと必死にすがりつく私に「ストーカーしないでください、警察を呼びますよ」と告げたのです。
私がしていることはストーカーなの? と、自分で自分にびっくりしてしまいました。夫も子どももいるのになにをやってるんだろうと…。こうして、Aさんとの関係は完全に終わることになったのです。
●初めから偽りだらけの関係だった
Aさんの後任で歯科医院へ来るようになった別の担当者から、Aさんが社内では、愛妻家として知られていたと聞いたのはその後のことです。「最近、奥さんとの間に第三子が生まれたらしくて、毎日定時に上がっていますよ」とも。
私と同じようにレスになっているとか、一緒に逃げてもいいとか。全部嘘だったんだなぁと思ったらむなしくなりました。浮かれていた自分が恥ずかしかったです。
自分勝手と思われたっていい。たった一度の人生だから
そして、久しぶりに集まった学生時代の女友達との飲み会。「元気だった? 翔子、ずっと来ないから心配してたよ」という彼女たちに、「じつはここに参加しているフリをして、男性と会っていたんだけれど、最近別れちゃったんだ」とその顛末を赤裸々に話しました。
●ボロボロになった私に変わらぬ笑顔を向けてくれた友人たち
最後、ストーカー扱いされた話をしたら、みんな大笑いしながら明るく全部受け止めてくれました。悔しさや失恋の悲しさ、家族への罪悪感など一人で抱え込んだら壊れてしまいそうでしたが、こうして変わらぬ笑顔を向けてくれる女友達がいてくれて、本当に救われました。
「全部、嘘だったのよ。レスとかいって3人目が生まれるんだって。やっと諦めがついた。私はなにを夢見ていたんだろう。不倫男の言うことを全部真に受けちゃって、バカよね」というと、友人の一人が「でも、女として見てもらえるってうれしいよね」と言い出しました。
●明るくふるまっていても、辛いレスの日々
ほかの3人も、やはり状況は変わらず夫婦生活が途絶えたままなのだそう。「夫から女と見られないのがつらい」「産後からおなかのぶよぶよが取れない」「そういう下着、全部捨てちゃった」という彼女たちに、「そんなの関係ないよ。夫が見てくれないのなら、新しい恋は近所とか、社内とか、身近なところにあるのかも」というと、みんな一瞬「え!?」という表情で一瞬硬直しました。
「そういう相手だと思って見ていないだけで、周りに新しい恋はあるよ。私の場合、レスがきっかけだったこともあって、その相手が夫よりタイプで性欲旺盛で、夫よりも相性がよかったからドハマリしちゃったけれど…」というと、その瞬間、みんなの心が揺れ動いたのが分かりました。
表層上は明るく振舞っていても、みんな内心レスの状況が辛かったのです。私が焚きつけてしまったせいなのか、そういうタイミングだったのか、数か月後から、新しい恋をスタートさせる友達もいました。