40代夫婦が築45年の古民家を購入し、リノベーションした事例です。細かく仕切られた暗い屋内を、明るく開放的に。間仕切りを撤去して西側をワンルームのLDKにしました。家の中でいちばん日当たりがいい場所を占めるキッチンは、妻のお気に入りの場所。リビング一角には、写真家である夫の小さなスタジオがあります。
すべての画像を見る(全27枚)大きな空間が特徴的な「働く家」がテーマの住まい
Yさんの家 京都府 家族構成/夫40代 妻40代 長女6歳 設計/おかやま設計室
築45年の民家でフォトスタジオを兼ねた開放的なLDKを実現したのは、夫婦と長女の3人で暮らすYさん一家です。「住まいとしてはもちろん、フォトスタジオとして使うために明るく開放的な家にしたくて」と、語るのは夫。
ネットで設計者の岡山さんとともにこの民家を見つけたときは、細かく仕切られた暗い屋内に「本当にここで大丈夫なのか?」と不安にも思ったそう。そんなYさん一家の不安は、間仕切りを撤去して西側をワンルームのLDKとし、さらに階段の方向を変更することで、開放感あるワークスペースをつくりだした岡山さんの設計で解消されました。
ちなみにこの家のリノベーションテーマは「働く家」。「フォトスタジオはもちろん、キッチンも写真背景として使いますし、ワークスペースは将来的に知り合いの作家に声をかけて、ギャラリーとして使ってもらおうと考えています」と妻。
上の写真は、ワークスペースからキッチンを見たところ。娘の絵が飾られている右手の壁は、将来はギャラリーとして貸し出すことも考えられています。「働く家」のコンセプトが生かされている部分です。
1階は浴室や洗面、トイレなどの水回りコアをリビングと玄関の間に配置して、それ以外をワンルームにしたのは、ギャラリーとして使える大きな空間が欲しかったから、と夫妻は声をそろえます。
西側の勝手口。スタジオへの来客はこちらから案内します。ブロック塀の白い塗装や植栽は夫婦ふたりのDIY。「ここに来て庭いじりの楽しみも覚えました」と夫。
キッチンの上にはオープンなつり棚が取りつけられています。
日常の調理で使うことはもちろん、キッチンもスタジオセットとして使われるので、セレクトされたものが品よくディスプレイされています。
LDKの天井や階段の柱回りは構造がそのまま表しになっていますが、これらはYさんが暮らすうちに変わっていきそうです。「手を加える余地が残っていることも、この家の魅力です」と笑う夫です。