小さな子どもを育てる夫婦が、眺めのいい緑豊かな高台に立つ古家を購入。年月を経た味わいを楽しみ、自分たちのライフスタイルになじむ家にリノベーションした事例です。家の主役は、オープンキッチン広々としたLDK。壁の仕上げや漆喰塗り、タイル貼りは、夫がほとんどDIYしています。住まいのアップデートは、今も進行中です。
すべての画像を見る(全23枚)古家の記憶を受け継ぎ新たな物語を育む家に
Mさんの家 東京都 家族構成/夫40代 妻30代 長女3歳
設計/大庭建築設計事務所
「時を重ねた味わいや、温かみを感じるものが好きです」と話すMさん夫妻。家づくりは中古物件を購入して改修することが大前提でした。そこで、設計はリノベーション事例を多数手掛けてきた建築家の大庭明典さんへ依頼。
「ホームページにつづられている言葉の数々から家に対して温かな視線を注ぐ方だと感じ、古さを生かした温もりのある家づくりをお願いしました」と語ります。
新居に選んだのは、敷地の南に眺望が開ける高台にあり、西側には隣地の豊かな緑がある古家。以前あった和室を取り除き、オープンキッチンがある広々としたLDKを新設しました。
白いクロス貼りの天井に梁を現しに。床材は無垢のホワイトオーク。アイランドのキッチンカウンターは18cm立ち上げて、手元を隠すように配慮。手触りがやわらかな素材は、愛猫のもも君のくつろぎの場にもなっています。
南側にあった大窓を生かして眺望を取り込み、キッチン背面には以前の窓を再利用しつつ、新たに同サイズの出窓を配して西側隣地の緑を暮らしの背景に。
おもな窓は樹脂サッシに替えてインナーサッシを併用し、断熱性をアップ。上下階の空気をダクトで循環させるシステムも導入して、住まい全体を快適温度に保てるように配慮しました。