暮らし上手な方々が時間をかけて見つけた「買ってよかったもの」を知りたくありませんか？ 今回は、「もの選びの達人」としてファンも多い、エッセイスト・石黒智子さんに、暮らしのベストアイテムを教えてもらいました。
年齢を重ねた今、もの選びは使いやすく、気持ちが上がることを重視
デザインはもとより収納方法、メンテナンスのしやすさ、電化製品の消費電力など、あらゆることを検討し、最適な品を選んできたと言います。その際に妥協はありませんが、けっして「一生ものを」という考え方ではないそう。「メンテナンスをしながら、大切に使うことで長もちし、結果的に『一生もの』になっていくものがあります」と、客観的に分析します。「時代が変わればもっといいものが出てくるかもしれないし、年齢を重ねればその年代なりの『ベスト』は変わってきますよね。たとえば、若いときに気にならなかった重さが、60歳、70歳になると耐えられなくなってきます」
●70歳のものを選ぶ基準は「重さとデザイン」
現在70歳、年を重ねるにつれ、ものを選ぶ基準で重要度を増しているのが、重さとデザイン。「使うときやしまうとき、ちょっとした重さに小さなストレスを感じないよう、暮らしの道具は軽く小さいものが中心となりました。見直し対象にしたものたちは若い世代に引き継ぎます。新たな暮らしの場で生かされているとうれしいですね」
鍋、器、調味料の容器などは、以前よりずっとコンパクトに。力が弱くなった手でも軽々使えます。また、コロナ禍を経て「買い物の仕方が変わった」と言う石黒さん。インターネットを駆使して、ショッピングの場は近隣の街から、日本中、いや世界中へ。達人の「もの選び」はますます進化しています。
本当におすすめしたい！暮らしのアイテムベスト3
「使わない日はない」という暮らしの必需品はどれもお手頃価格なのに、扱いやすく丈夫です。使い方のコツも教えてもらいました。
●1：逆さでも使えるからストレスなし「山崎産業のスプレイヤーボトルキャニヨンスプレー」
横向き、逆さでも角度自在に噴射可能。「1つは手指消毒用アルコールを入れて使用。もう1つはアルコール、水、ミントのエッセンシャルオイルを入れて掃除用に。」
「スプレー部分が頑丈で使いやすい優れものです」
・縦8×横11×高さ24cm オープン価格
●2：使い勝手も切れ味のよさも値段以上の満足度「ビクトリノックスのパーリングナイフ」
約25年前、スイス旅行中に街のスーパーで買って以来、キッチンで大活躍。種類違いでそろえ、用途によって使い分け。「カーブしたハンドルが握りやすく、切るときの動作がスムーズです」
・右から／スイスクラシックシェーピングナイフ長さ16.2（刃6）×幅2cm、パーリングナイフ（波刃）長さ19（刃8）×幅2cm、パーリングナイフ8cm長さ18.9（刃8）×幅2cm各￥1320、パーリングナイフ10cm長さ21.2（刃10）×幅2.3cm￥1650
●3：シンプルで使いやすさ抜群。料理前に手軽に研げる「イケアのアスペクト研ぎ器」
石黒さんは調理前に軽く包丁を研ぐのが習慣なのだそう。
「研ぎ石の部分に2～3回往復させるだけで切れ味がよくなります。軽くて手入れもラクなので、気軽に使えるのもいい」
・長さ16cm￥799
この特集で紹介したアイテムは、撮影時（2023年1月末）に各店舗で販売されていたアイテムです。本誌発売時には、仕入れ状況によって同じアイテムがない場合や、すでに販売終了していたり、価格が変更になる可能性もありますので、ご了承ください。価格は一部編集部調べです。
『これからの暮らし by ESSE vol.04』では今回紹介した以外に、50代～70代の暮らし達人が「買ってよかったもの、ずっと大切にしたいもの」や、老後のお金の不安まるごと解決、飛田和緒さんとめぐる「大人の湘南・鎌倉」、坂東眞理子さんの人生お悩み相談、糖質オフ2品献立、自律神経整え習慣など50代以上の暮らしに沿った情報が満載。
