家族のコミュニケーションがとりやすい、リビング階段のある間取り。デメリットとして、キッチンで調理しているにおいや、リビングのテレビの音が2階の個室に漏れてしまうという面も。また、冷暖房が効きにくくなることも気になります。2年前に大手ハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、「廊下を極力少ない間取り」にすることで、問題を解消しました。詳しくレポート。
すべての画像を見る(全5枚)階段を家の中心に配置し、廊下は極力少ない間取りに
わが家は子ども2人(4歳と1歳)を含む4人家族。2年前に大手ハウスメーカーで、総2階の家を建てました。LDKは1階に。2階に子ども部屋や主寝室を配置した間取りです。間取りを考えるにあたって、各部屋をできるだけ広くするために廊下を少なくしました。
上の図面は、2階の間取りです。階段は家の中心に配置し、狭い廊下経由ですぐに各部屋に。このようにすることで、1階のリビングから2階の各部屋への移動距離が、最短になっています。
リビング階段は、リビング内に階段を配置すると、リビングの空間が失われてしまいます。これを防ぐために階段の位置は、ファミリークローゼットや水回りと同じように、壁面につくりました。
家づくりでリビング階段にこだわった理由
家づくりでリビングに階段にこだわったのには理由があります。それは、リビング階段があることで、2階の子ども部屋や主寝室への行き来で必ずLDKを経由すること。このことで家族が顔を合わせる頻度が、必然と多くなると考えたからです。
結果的に、家族間でのコミュニケーションが増え、家族内でのトラブル防止、困りごとや悩みごとの早期発見につながるはず。大げさかもしれませんが、大きなトラブルは日々の積み重ねによって起こることもあります。そうなる前に解決する「きっかけ」の1つが、このリビング階段だと思ったのです。
リビング階段にはよい面もあれば悪い面も
リビングに階段があることで、1階のLDKと2階の各部屋の距離が近くなります。当然、各階の生活音がもう一方の階へ響いてしまいます。これにはよい面と悪い面があると思っています。
よい面は、別の階にいる家族の状況を把握しやすくなること。たとえば、1階で家事をしていても、2階で遊んでいる子どもの状況を把握しやすく、家事をしていても上の階にいる子どもと会話することもできます。
たしかに2階の部屋で集中してなにか(受験勉強など)に取り組んでいるとき、1階の生活音(テレビの音など)が集中の妨げになってしまうかもしれないという、悪い面もあります。
ただ、これは事前に家族間でコミュニケーションをとれば、問題ないと考えます。「特定の時間帯に○○をする」とわかっていれば、それに応じた行動をとれるからです。