これからの時代、稼ぎ続けるのは大切とわかっていても、長く社会から離れてしまうと働くことに対して二の足を踏んでしまう人も多いのではないでしょうか。ベストセラー『女性の品格』を世に送り出した昭和女子大学・総長を務める坂東眞理子さんに、働き方の悩みについてアドバイスをしてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)この年齢とスキルで雇用はある?これから世代が稼ぐために大切なこと
稼ぎ続けるのは大切とわかっていても、年齢やスキルに自信がもてず、働くことへの壁を感じる人も多数。まずは、なにから始めるべきでしょうか。これから世代の働き方についての悩みに答えていただきました。
●読者の仕事の悩み
・ずっと専業主婦だったので、今からできる仕事が見つけられません
「結婚当初から専業主婦をしていて、家族優先の生活でした。残りの人生、自分中心にギアチェンジしたいけれど、働くことに一歩踏み出せないでいます」(52歳・専業主婦)
・定年まで今の会社にいるか、フリーランスになるべきか悩みます
「定年まであと9年。65歳まで再雇用で働けますが、憧れの職種があります。早期退職してフリーランスになるべきか悩むものの、年齢的に厳しそうです」(51歳・会社員)
・71歳、時間をもて余しています。働いた方がいいでしょうか?
「定年退職をして10年。同居していた母が亡くなり、生きがいもなくなりました。体は元気だけど、この年齢でも働き口はあるのか...と、不安でなかなか動けません」(71歳・無職)
●【坂東さんアドバイス】50〜70代こそ「稼ぐ力」が不可欠。意欲があれば働き口は見つかります
50代になると若手にかなわないスキルの面や、定年後に働き口があるか、心配する人が増えてきます。私も公務員として勤めていた50代の頃は、いつまで働けるのか不安でした。
しかし、今の日本は慢性的な労働力不足です。これからますます50代以降の雇用が増えるでしょう。働く意欲さえあれば、あなたを必要とする働き口は見つかります。
ゼロから探すよりも「なんかいい働き口はない? あったら教えて」と、普段から周囲にアナウンスしておくと声もかかりやすくなります。
世代的に専業主婦の方も多く、働くことに対して二の足を踏んでいると思いますが、社会の役に立つスキルは十分もっています。物分かりの悪い夫と長年つき合い、言うことを聞かない子どもを育て上げた主婦の方の家庭運営能力はプロフェッショナル。人間関係をマネジメントする能力に長けているはず。
もちろん、だれかのお世話をしたり、家事を効率よく進める能力も高いですから、それを生かしてみましょう。慢性的な人手不足を抱えている福祉関係の仕事にも向いていると思います。
もし、フルタイムのハードルが高ければ、最初は週3日でも、1日4時間でも、時短で働く方法はたくさんあります。また、SNSにあるようなキラキラ系のフリーランスを目指す人も見かけますが、50代以降は自分の夢を追うだけでなく、いかに社会の役に立てるかの視点も大事。人に感謝されるような仕事は、自己肯定感を高めて心の安定をもたらしてくれますから。
『これからの暮らし by ESSE vol.04』では今回紹介した以外に、50代~70代の暮らし達人が「買ってよかったもの、ずっと大切にしたいもの」や、老後のお金の不安まるごと解決、飛田和緒さんとめぐる「大人の湘南・鎌倉」、坂東眞理子さんの人生お悩み相談、糖質オフ2品献立、自律神経整え習慣など50代以上の暮らしに沿った情報が満載。