人生の後半戦を迎えた50〜70代の女性は、これまでにない悩みが増えてきます。戸惑いもあるなか、悩める現状を打開するには? ベストセラー『女性の品格』を世に送り出した昭和女子大学理事長・総長を務める坂東眞理子さんに、私たちの悩みを軽くするヒントを教えていただきました。

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50~70代にアンケートを実施。悩みのタネはなんですか?

悩んでいることの円グラフ
複数の悩みを抱える人も少なくありません

100人にリサーチしたところ、老後のお金について悩んでいる人が3割を占めました。今後の働き方や夫婦関係、親の介護などの悩みも重たくのしかかります…。坂東さんにアドバイスをいただきました。

50代からは人生の第3ステージ。外に意識を向けて、「悩み」を軽く

坂東眞理子
坂東眞理子さん

50歳以降は自身や夫の定年退職、子どもの独立、介護問題などの心配事が一気に増える時期でもあります。元官僚で副知事や総領事など輝かしいキャリアを持ちながら、私生活では2人の子どもを育て上げ、多くの女性に支持される著書を上梓してきた坂東さん自身も、50代半ばは今後の生き方について悩んでいたと言います。

「国家公務員は定年前に退官するのが通例で、50代半ばの頃は次の働き先を見つけなくてはなりませんでしたが、女性の場合は見通しがつかない。また男女共同参画局長としてやりがいのある仕事をまかされて喜びをかみしめる一方で、いつまでもこのポストにはいられない焦りも感じていました」

やがて出会いや縁がつながり、57歳のときに未経験の教育の分野である昭和女子大学に転職。坂東さんは新たなステージに踏み出します。

「教育が向かないから公務員になったくらいなので、大学に来た最初の2~3年は何をしていのかわからず、慣れない環境に戸惑いも。でも、“私はここで生きる”と覚悟を決めました。その頃は親の介護も先が見えませんでしたが、働いて担うと決めたことで、今までにない力がわいてきたんです。たとえ水の中に放り込まれてもバタバタすれば溺れることは少ないように、いざとなればなんとかなるものです」

●やるべきことを見つけて家庭以外へ飛び出そう

時間とともに、これまでと状況が変化してくるのが「これから世代」です。「ヒンズー教の考え方で、人生には4つのステージがあると言われています。修行や準備期間の“学生期(がくしょうき)”、家庭や仕事に没頭する“家住期(かじゅうき)”、社会や地域コミュニティで活動する”林住期(りんじゅうき)”、そして寿命が尽きるまでの“遊行期(ゆぎょうき)”。なかでも、50代前後は家住期から林住期へ移行する時期。つまり家庭や会社だけでなく、より広い場で活躍するステージです。外で“やるべきこと”をもつのが悩みを減らす糸口になります」と坂東さん。そのために必要なことは?

「家の中に閉じこもって悩んでいても解決しません。頭で考えすぎず、まずは行動。家庭以外の世界に一歩踏み出し、社会活動や仕事に携わりましょう。外で体験を積むことはプラスです。悩みに直面したとしても一人で抱え込まないこと。社会とつながっていれば、解決策はきっと見つかります。もちろん健康は大切な資産ですから、日頃の体力づくりも忘れずに」

●坂東さんが伝えたい「これから世代」が意識したいこと

・頭で考えすぎず、行動する

・家庭以外に「やるべきこと」をもつ

・社会参加活動で小さな成功体験をつくる

・一人で悩まず他人を頼る

・健康のため体力づくりをする

 

これからの暮らし by ESSE vol.04』では今回紹介した以外に、50代~70代の暮らし達人が「買ってよかったもの、ずっと大切にしたいもの」や、老後のお金の不安まるごと解決、飛田和緒さんとめぐる「大人の湘南・鎌倉」、坂東眞理子さんの人生お悩み相談、糖質オフ2品献立、自律神経整え習慣など50代以上の暮らしに沿った情報が満載。

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