年齢を重ねていくと、ものを手放すことばかりに意識が向かいがちです。でも一方で、メンテナンスしなが大切に使い続け、ものと向き合っていると、ちょっと心が整ったり、うれしい気持ちになったり。ライフオーガナイザーの田端瑞枝さんが、自身が愛用し続ける家庭用品を例に、「50代なりの、ものとの長いつきあい方」について語ります。
すべての画像を見る(全9枚)風呂掃除ついでにイスも洗う。10年たってもきれいなまま
筆者の家には、長年使っているのに、とても状態のいいものがいくつかあります。長くコツはメンテナンスを欠かさないこと。
かつて、お風呂場のイスの掃除は、汚れたら、力を入れてゴシゴシこするという感じでした。毎日使うのに扱いが雑でした。
その「ゴシゴシ」を回避したくて、10年前に新品を買ったときに「使ったら洗う」をルーティンにしました。きれいなら、毎回洗うことはないように思われるかもしれませんが、きれいだからこそ洗うのがポイントです。
お風呂掃除のなかにイスを洗うことを組み込んでしまうと、洗い忘れはありません。座面、足、裏面と流れをつくって洗うことで、テンポよく洗い終えます。
毎日洗っているので、汚れはほとんどついていません。だから、ゴシゴシこする必要もなし。1分たらずの掃除ですが、ぱっと見は買ったときのままのきれいさです。
洗い終わった後は、バスタブに引っかけて乾かします。このひと手間で、床のヌメリ汚れなども回避できます。
イスの掃除は、きれいにすることが目的というよりは、気持ちよく座れることが目的。自分や家族の体を思いやる気持ちの余裕が、自分の中にちゃんとある…そんな確認をしながらのお掃除。その結果、長く愛用できているのがうれしいです。
ただ、いくらきれいに見えても、やはり経年劣化はありますね。見た目は新品同様ですが、表面の傷を眺めてみると、10年近く使っている実感がわきます。
20年選手の鍋を、次に使うときのことを考えてみがく
鍋は使っていれば汚れます。とくに気になるのは鍋の底(外側)です。
わが家はIHなので、すすがつくことはありませんが、それでもやはり汚れてきます。茶色くなってきたなと思ったら、みがくことにしています。
「これ、いつから使っているのだろう」と考えたら、もう20年近く使っていました。それくらい年数を感じさせない輝きを取り戻します。
独身時代に、飲食店でアルバイトしたことがあります。そのとき、店長から「鍋を洗うときは、底もきれいに洗ってね」と言われました。この言葉が今でも忘れられず、鍋の底はいつも念入りに洗っています。
それでも、焼きついた色がついてくるので、そのときは洗剤でこすり洗いします。
購入時と遜色ない輝きを取り戻しました、これなら再び使うときも、気分が上がります。鍋の底はあまり気にしないところですが、磨くように汚れを落とすとピカピカを保てます。