暮らしの効率に大きく関わる収納のプランは、家づくりをするうえで大切なポイントです。4年ほど前に家づくりをした日刊住まいのライターは、整理収納アドバイザーの知見を生かして、間取りや収納計画を練ることに。収納と家事のしやすさから考えた収納スペースのつくり方を、自宅の様子を交えて紹介。今回は玄関、リビング、キッチン、トイレ、洗面、クローゼットについて注目してみました。
すべての画像を見る(全12枚)
玄関にはウォークスルーのシュークローゼットを
4年前に2階建ての中古住宅を購入して、リノベーションをした筆者。延床面積は95㎡。夫と小学生の子どもの3人で暮らしています。
筆者は整理収納アドバイザーということもあって、間取りを決める際には、ものの出し入れがしやすくて、そのうえ、家事がしやすいように、工夫を盛り込みました。その中身を紹介していきます。
玄関まわりには、壁を隔ててドアの横に、シューズクローゼット兼収納スペースを設けました。広さはおよそ3㎡。
ウォークスルーのようになっていて、入り口は2つ。玄関土間からも、玄関ホールからもアクセスできます。
わが家は、シューズクローゼット兼収納スペースに、靴はもちろんのこと、家族全員の上着やバッグを収納。こうすると、外出や帰宅の動線がとてもスムーズです。
加えて、このスペースが靴の避難場所になるのもメリット。「土間が靴だらけに」ということも起きません。急な来客などにあわてなくてすみます。
玄関の壁には、鍵を置くための小さなニッチをつくりました。つい適当な場所に置いてしまいがちな鍵も、きちんとした置き場があれば、なくしません。また外出の際に、玄関で鍵を忘れたことに気づいて部屋に戻る…ということもなくなります。
ちなみに、収納スペースの隣には、手洗いを設置。帰宅した家族は、「鍵をニッチに置く → 収納スペースに上着をかけてバッグを置く → 手洗いをする」といった一連の動作を、とても短い距離で終わらせることができます。
リビングにあえて収納をつくらず、隣のスペースに用意
比較的コンパクトな延床面積のわが家。それでも、1階のリビングはできるだけすっきりと使いたかったので、あえて収納はつくりませんでした。リビングに収納棚や収納の扉があるというのが、ビジュアル的にイヤだったのです。ちなみに、収納のための置き家具もなしに。
代わりに、リビングにつながる隣のスペースを、収納に活用しています(写真、階段付近)。ここは最初から収納スペースとして使うためにプランニングしました。リビングと仕切りがなくサッと行き来できるので、リビングに収納がなくても、ストレスになりません。
収納スペース内部の様子です。広さはおよそ5㎡(約3畳)。わが家のメインの収納スペースとして機能しています。リビングで使うものはもちろん、消耗品のストック、書類、文房具など、多岐にわたっていろいろなものを管理しています。
将来、収納するものに変化生じても対応しやすいように、収納は可動式の棚を採用。
棚板の幅や奥行きは、引っ越した際にどんなものを収納するのかシミュレーションして決めました。この手の大きな収納スペースは、出し入れのしやすさを考えてつくらないと、死蔵品が増えたり、ものが迷子になったり。
大きくつくれば収納量が増えて便利と思われがちですが、ちょっと注意しておきたいところです。
キッチンにはオープン収納を多めに採用
キッチンの収納は、既製品と造作を組み合わせました。シンクのあるキッチン本体は既製品、背面のカウンターは造作です。
造作のカウンターは、食器を収納している引き出し部分を除いてオープンに。オープン収納にすることで、道具が手に取りやすくなり、作業の効率も上がります。
トイレットペーパーをたっぷり収納できる余裕を確保
トイレには30cmほどの奥行きのある、ニッチのようなデザインの収納をつくりました。ここにはトイレットペーパーのストックを収納。ちなみに、(やろうと思えば)最大で40個置ける余裕があります。
あえて、たくさんここに置けるようにしている理由は、「別の収納場所からストックをトイレに持ち込む」という作業を省くため。トイレットペーパを買ってきたら、すべてここに収めてしまえばいいのですから、管理がラクです。
また、もともと防災の観点から、トイレットペーパーを多めにストックしているわが家の習慣にもぴったり。