はじめて経験するからこそ分からないことだらけの親の「介護」。お金の問題など、不安を感じている方も多いのではないでは? 今回は、気になる介護資金についてお話を伺いました。
親の介護にかかるお金が心配!
すべての画像を見る(全2枚)ここでは、介護に関するお金について、ファイナンシャルプランナー・いちのせかつみさんにお話を伺いました。
●意思の疎通ができるうちに話し合いを
親の介護費用は親が出すのが基本。
「介護やお金のことはきり出しづらいものですが、ニュースなどで話題が出たとき、『お母さんはどうしたい?』『手続きは私も手伝うから、年金や貯蓄から使えるお金を教えておいてね』などと話してみては」
親のお金だけでは不足しそうな場合は、兄弟姉妹とも早めに話し合いを。親が元気なうちに、親も交えて話し合った方があとからもめません。
「親が在宅か施設か迷っているなら、ぜひ見学に行きましょう。施設の環境やサービス、食事などが自分に合うかどうかは、実際に行ってみないとわかりません。将来の自分のためにも、見ておくことは重要。『私も将来のため行ってみたいから』と誘えば、親も遠出気分で来てくれます」
●介護に要する費用と期間
実際に介護した人の平均値は、初期費用が約74万円。加えて、毎月の費用は、在宅介護は4万8000円、施設介護は12万2000円に。介護の平均期間「5年1か月」で計算すると、総額は在宅介護で366万8000円、施設介護で818万2000円に!
「ただ、これはあくまでも平均値。介護費用はいくらかかるかではなく、いくら出せるか、で考えることが大事」
・一般的な初期費用の合計
平均74万円
住宅改造や介護用ベッドの購入費など
・月々の費用
平均8.3万円/月
・介護を行った場所別介護費用
在宅:4.8万円/月
施設:12.2万円/月
・介護の平均期間
5年1か月
過去3年間に介護経験がある人に、どのくらい介護費用がかかったのかを調査(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)。生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」より