光熱費アップが家計を直撃しているニュースが、頻繁に取り上げられています。そのなかには「オール電化住宅にして失敗した」という内容も。家づくりを検討している人は気になるところでしょう。そこでオール電化住宅に太陽光発電を載せた家に住み始めて3年経過した日刊住まいライターが、実際の電気代や発電量を公開。本当に失敗だったのかをレポートします。
すべての画像を見る(全7枚)建てたオール電化住宅には4.455kWの太陽光パネルを搭載
筆者は2019年に長野県でオール電化住宅を建てました。家族構成は、筆者・夫・娘2人(9歳5歳)、ネコ2匹です。
家の大きさは総2階で約35坪、切妻屋根の南側に太陽光パネル4.455kWが載っています。オール電化住宅なので給湯器はエコキュート、調理はIHクッキングヒーター、冷暖房はエアコンを使っています。
入居してすぐは灯油ストーブを使っていましたが、エアコン設置してからは完全にエアコンのみの暖房です。
電気代高騰が始まってからは、エアコン暖房を抑えるためにコタツも導入しました。
入居以降は同じオール電化住宅向けのプランを利用
電力会社は中部電力を利用しており、料金プランは入居時からずっとオール電化住宅向けのプランを利用。料金は、以下のとおりです。
平日:10時~17時が38円/kwh、9時~10時・17時~23時が28円/kwh、23時~翌9時が16円/kwh
休日:9時~23時が28円/kwh、23時~翌9時16円/kwh
ちなみに太陽光発電の売電額は、2019年の契約で24円/kwhです。
最近は電気代が高く、つくった電気を売電するより使う電気に回した方が、差し引きで電気代節約になります。ですから晴れていて発電している日は、日中家電を動かして用事をすませておくこともあります。
燃料費の高騰で、電気代は「燃料費調整額」アップ分上昇
上の表は、筆者の家の2021年と2022年の毎月の電気代を比較したものです。
電気代が上り始めたのは2021年10月頃からで、原油高騰が原因でした。その後、世界情勢が不安定となり、電気代値上げは加速していきました。
表を見ていただくとわかりますが、2021年と2022年で使用電力量は大差ないのに、電気代はすべての月で上がっています。料金プランの単価が上がっているのではなく、「燃料費調整額」という電気代の調整をする部分が上がっているのです。
燃料費調整額は、その時々の原油価格や天然ガスなどの燃料費によって毎月変動するものですので、燃料費そのものの額に加え円安などの影響も受けています。
この燃料費調整額の上限が一部料金プランで2022年12月から撤廃されたことで、電気代も跳ね上がってしまいました。
筆者が契約している中部電力の燃料費調整額の詳細は、2022年12月で11.04円/kwh、2023年1月で12.3円/kwhとなっており、これらの金額が料金プランの単価に上乗せされている形です。2月以降政府の補助金が投入されるため、値上がりが緩和される予定ではあります。
しかし補助金は8月までの期間限定なので、先の見えない電気代値上げに対し不安が大きいのは事実です。
2021、2022年と売電額は安定している
上の表は筆者の家の太陽光発電による売電額の推移です。入居して3年になりますが、ありがたいことに安定した発電量を維持しています。
発電した電気は自家消費もしているので、発電した電気すべてを売電しているわけではありません。平日の日中は電気代の単価が高い時間帯ですが、太陽光発電で発電していればあまり気にせず電気を使うことができます。
ただ、どうしても天気に左右されるので、日中の電気の使い方はお天気次第になりがちです。