ESSE本誌で連載中の『ドルオタが行く!』のこぼれ話をESSEonlineで紹介! 3月号に登場してくれたのは、2018年に『仮面ライダージオウ』でデビューし、今やドラマ、映画、舞台で引く手あまたの人気俳優・渡邊圭祐さんです。

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渡邊圭祐さんにインタビュー!原作のロシア文学は「何度も読み返しました」

2月24日から上演の舞台『アンナ・カレーニナ』では、宮沢りえさん演じるヒロインと恋におちる青年将校役を演じる渡邊さん。注目の舞台の話から、最近ハマっていることまで、大注目の29歳を深堀りしました。

渡邊圭祐さん
渡邊圭祐さん
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●「同じことはしない」と決めたら世界が広がった

Q1.2度目となる舞台は、ロシア文学の最高峰とうたわれる文豪トルストイの傑作『アンナ・カレーニナ』。宮沢りえさんが演じるアンナと、道ならぬ恋におちる青年将校アレクセイ・ヴロンスキーという重要な役どころを演じる心境は?

「宮沢さんが出演された舞台『泥人魚』を観させていただいたのですが、宮沢さんのもっているパワーがすごくて、舞台上のどこにいらっしゃっても目がいってしまいました。なので今回の舞台でも、並び立ったときに、ちゃんと役として対等な見え方ができればと思っています。ただのヴロンスキーで終わらないようにといいますか、自分がやる意義みたいなものをどこかに見つけながら、ちゃんと恋愛として成り立たせられるように、すべての公演で演じていきたいと思います」

 

Q2.原作の小説を読まれたそうですが、感想を教えてください

「すごくおもしろいと思いました。ただの恋愛物語ではなく、柱となるアンナの物語を軸に、いろいろな人の人生が交錯していく展開に引き込まれます。あれだけ長いのに飽きずに読めるというのは、文学作品としてさすがだなと。だからこそ、これまで語り継がれて映像化もされているのだなと納得しました。

じつは子どもの頃に、世界の文学を漫画化した本で読んだことがありました。舞台の出演が決まってすぐに、もう一度漫画化したものを読んで、そのあとに小説を読んで。最近、また改めて小説を読み返したんですが、大人になった今だからこそ風情を感じる物語なのかなと思います」

 

Q3.今回の舞台は、『地獄のオルフェウス』『欲望という名の電車』『罪と罰』など、日本でも大作を演出している、イギリス人演出家フィリップ・ブリーンさんの演出。フィリップさんについてはどんな印象ですか?

「ドラマ『直ちゃんは小学五年生』で杉野遥亮くんとご一緒したときに、“次、フィリップさんとやるんでしょ? 俺ももう1回やりたいんだよ”と、すごく羨ましがっていたのが印象に残っています。杉野くんは過去にフィリップさん演出の舞台に出演していて。彼は監督とのディスカッションの時間をすごく大事にしている役者さんだなと思っているのですが、相当気が合ったのだろうなと。その話を聞いて、すごくワクワクしています。フィリップさんご自身も稽古場でのコミュニケーションを大切にしているとおっしゃっていたので、稽古がすごく楽しみです」

 

Q4.今回の舞台も含め、活動の幅がどんどん広がっていると思うのですが、新しいことに挑戦するときに、大切にしていることや意識していることはありますか?

「同じことをしないようにする。前にこれがうまくいったから、“もう1回ここでも同じことやってみよう”というのは、なにか違う気がしているので。常に新しいものが生み出せるよう、自分から新しい場で、新しいことを仕掛けていくというのは、ぼんやりとですが考えていることです。成功体験があることをやっていた方が安心感はあるけれど、おもしろくないかなと思うんです。生きていて、やっぱりシンプルに楽しい方がいいじゃないですか。新しいことをやって失敗したら、それも経験で糧になるだけなので、新しいことをやった方が絶対にトクな気がする。ぶつかってなんぼかなと考えています」