俳優としてのみならず、アーティスト「DISH//」としても活躍中の北村匠海さん。中川大志さんとのW主演映画『スクロール』への思い、最近の暮らしの変化についても語ってくれました。

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北村匠海さん
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理想と現実のギャップに傷つき、「この社会で夢など見てはいけない」と、SNSに思いを吐露することで、なんとか自分を保つ――。

2月公開の映画『スクロール』の主人公、「僕」を演じながら「自分とどこか似ている」と感じたと話す北村匠海さん。映画は、上司のパワハラに苦しみながらも、必死に生きる意味を探す「僕」(北村匠海さん)と、マスコミで働き、「僕」とは対照的に刹那的な生活を送る「ユウスケ」(中川大志さん)の物語を軸にした青春群像劇です。

●主人公の「僕」は、どこか僕自身にも似ています

「撮影していたときは、若いながらも自分は特別なんだ、という感覚をもっている『僕』のことがすごく理解できたんですよね。反対に、ユウスケのことはまったく理解できなかった。彼が発している言葉もうわっつらな感じがして好きになれなくて。でも、あらためて作品を観たら、『僕』のように世の中から消えてしまいたい自分もいれば、ユウスケのように楽しければそれでいいと考える自分もいる。どちらも自分なのかな、と感じるようになりました」

あるとき、「僕」のSNSを目にしたのをきっかけに距離を縮めていく同僚の「私」を演じるのは、古川琴音さん。

「琴音ちゃんは、実際に話すとすごくおもしろい方なんですけど、お芝居をしている自分に対して、葛藤を抱いているように見えて、そういう感覚は僕とすごく近いのかなと思いました。陰と陽で分けるなら、琴音ちゃんもなんとなくですが『陰』のような気がしますね。僕はプライベートでは楽観的に物事を考える方だけど、役者の仕事については陰なことが多い。『自分はダメだ』とネガティブになるわけじゃなく、お芝居では引き算というか、限りなくゼロに近い感覚でいたいから。だからあまりきらびやかなお芝居をするのも得意じゃないんです。その殻を破るために『東京リベンジャーズ』のような華やかな作品にも挑戦しているんですけどね」