フランスの家庭料理は、一度にたくさん仕込んで数日で食べきるのが主流。これをヒントに、旬の大型野菜をまるごとムダなく使い回すワザを料理家の上田淳子さんに教えてもらいました。
がんばりすぎずにムリなく食費をダウン!
すべての画像を見る(全8枚)上田さんが料理の修業をしたフランスでは、肉も野菜もキロ単位で売られているから、一度に大量に仕込むのが当たり前だったそう。
「いくつも料理をつくりおくのは大変ですが、煮込みやスープをたっぷりつくるのにそう手間はかかりません。つくった日はそのまま食べ、翌日以降は食材をプラスしたり、味を変えたりして食べきるのがフランス式なんです」
この方法なら毎日の食事づくりの負担が減って、食材が半端に残らないから冷蔵庫もすっきり。食材のロスも食費もムリなく減らせます。
●フランス式食材使い回し術とは?
手間がかからないシンプルな料理をまとめて仕込んだり、下ごしらえを一度にすませて食材をムダなく使いきり。これをアレンジして味の変化を楽しみながら3日で食べきります。
DAY1:たくさん仕込んでシンプルに楽しむ
DAY2:材料をたしてアレンジする
DAY3:少し残ったものを生まれ変わらせる
→これで全部使いきり!
キャベツ1個で「洋風3Days」
かさがあるキャベツは大ぶりに切って具だくさんポトフに。シンプルな味つけにすれば、アレンジの幅が広がり、“残り物感”もいっさいなし!
●Day1:キャベツ1/2個を使う!手羽元ポトフ
1日目は具沢山のポトフ。たっぷり煮込むからこその滋味豊かな味わいです。
材料(つくりやすい分量)
- キャベツ 1個(1.2kg)
- 鶏手羽元 16本(約900g)
- 塩 適量
- コショウ 少し
- タマネギ 2個
- ニンジン 2本
- ジャガイモ 4個
- ローリエ 1枚
- 水 5カップ
- ウインナソーセージ 8本
- 粒マスタード(好みで) 適量
【つくり方】
(1) 手羽元は塩小さじ1をすり込んでコショウをふり、10分ほどおく。キャベツは8等分のくし形に切る。タマネギは1個を4等分のくし形に切る。ニンジンは皮をむき、1本を横向きに4等分に切る。ジャガイモは皮をむき、1個ずつ半分に切る。
(2) 鍋に(1)の手羽元、ローリエ、塩小さじ1、分量の水を入れて中火にかける。沸いたらアクを取り、(1)のタマネギ、ニンジンを加える。再び沸いたら弱めの中火にし、フタをして15分煮る。
(3) (1)のジャガイモとキャベツを加えてフタをし、煮立ったら弱火で15分煮る(ジャガイモは品種によっては煮くずれしやすいので、煮えたら途中で一度取り出すとよい)。
(4) 野菜がやわらかくなったら、ソーセージを加えて火がとおるまで煮る。半量は粗熱をとって保存容器に入れ、冷蔵庫で保存する(左ページのDay2、Day3で使用する)。残りを4等分して器に盛り、粒マスタードを添える。
[1人分(保存分は除く)337kcal]<ポイント>
野菜は火のとおりにくいものから時間差で煮ていく。煮くずれしやすいジャガイモとすぐに火がとおるキャベツは最後に鍋の中へ。
【Day2、3で使い回す】
ポトフ半量を保存容器へ
つくり方4のポトフを保存容器で冷蔵保存。ひととおり具を残してシチューとパスタに。具が大きめだから必要な分だけ取り出しやすい。