続く物価高。新年早々「支出が増えているのに収入は増えず、なかなか貯金ができない」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。そこでファイナンシャルプランナーの岡ゆみさんに、家計簿をつけなくても出費を減らすことができる方法を教えてもらいました。

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「手元にお金が残らない」を解決するための対処法

お金を貯める手っ取り早い方法として、「給与天引きで財形貯蓄や積立預金など先取り貯蓄をするといい」ということを読んだり、聞いたりしたことのある方も多いのではないでしょうか。
そうは言っても現実的に、いろいろ引かれた結果、「手元にお金が残らなくて困っている」という悩みは多いと思います。
大事なことは、貯める前に支出を整理すること。なかでも重要なのは、支出を整理する順番。つまり、先に引き落としされる支出(固定費)から整理し、その後に食費や日用品など(変動費)を整理します

レシートをもつ女性
支出の見直しのために(写真はイメージです)
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●支出の見直しは固定費から始めよう

出費は、固定費と変動費に大きく分けることができます。

<固定費>
電気代
住宅費用
保険料
習い事
通信費

<変動費>
食費
日用品費
衣服費
レジャー費
交際費

固定費とは「定期的に決まって出ていくお金」のことです。固定費の見直しは、契約の確認など少し労力がかかるものが多いですが、その後ずっと支出が削減できます。結果、毎日の買い物を減らすよりもストレスが少なく、長期的に見ると大きく支出を抑えることができます。

●ぜひ見直したい、携帯代と保険料

取りかかりやすいものとしては、まず携帯代。たとえば現在7500円の携帯料金だったところ、格安SIMに変えて月3000円になった場合、月あたり4500円も節約することができます。夫婦ともにきり替えれば、4500円×2人で月々9000円。年間では、9000円×12か月で10万8000円の節約に。それが10年と積み重ねると108万円もの節約になります。

保険の見直しも有効です。皆さんは、ご自身がご加入されている保険の保障内容を把握していますか? 保険は万が一のときに金銭的に困らないようにするために、備えるもの。なので、まずは公的な健康保険や年金制度、会社にお勤めの方は福利厚生を確認しましょう。そのうえで現在加入している保険が本当に必要なのか、貯金やほかの方法で備えられないのか、一度考えてみてください。

私自身、独身のときに貯金よりも貯蓄性の保険の方がお得だ! と思って貯蓄性の保険に入りすぎて、出産してから収入と支出のバランスが変わり悩んだ経験があります。
貯蓄性の保険の支払いを止めるためには、3つの方法があります。1つ目は減額、2つ目は払済といって保険料の支払いを止めて、保険金額(万が一の際の保障額)を下げる、3つ目は解約し解約返戻金を受け取る方法です。どの方法でも多少の不利益を被る可能性がありますが、もし貯蓄性の保険がありすぎて整理したい場合や支払いが厳しくなった場合は、保険の担当の方に相談してみてくださいね。