親が暮らしていた築37年のマンションをリノベーションして、念願のワークスペースとオープンな対面キッチンを実現した事例です。住まい手は40代の夫婦。磁器質タイル貼りの床と自然塗料のムラを生かした塗装壁でシックにまとめたLDKは、まるで名作家具のショールームのよう。部屋をひとつ削ってウォークインクローゼットと土間を拡張し、使いやすさもアップ。劇的におしゃれな空間に生まれ変わりました。
すべての画像を見る(全17枚)コロナ禍、実家をリノベして仕事スペースを確保
Aさんの家 東京都
- ・家族構成:夫44歳 妻42歳
・築年数:築37年(1985年築)
・専有面積:60.14㎡
・設計・施工:nu(エヌ・ユー)リノベーション
Aさん夫妻が暮らすマンションは、もともと妻の実家。親から受け継いだものの、一時は将来のことを考えて新築住宅の購入を検討したこともあったそう。
「買えたとしても狭い物件になりそう、という不安があったのと、コロナ禍で夫がリモートワークになり、それならある程度広さがある実家をリノベーションしてワークスペースも確保しよう、となりました」と妻。
リノベーション会社に要望したのは、「2部屋をワンルームのLDKに変え、閉鎖的だったキッチンを明るい対面式にする」「夫のワークスペースをオープンな場所に収める」ということ。
新築購入からリノベに方向変換し、がぜんインテリアに目覚めた夫妻。「以前は<ザ・実家>という感じの古い家で(笑)、インテリアはまったく諦めていましたが、意識が変わり、家具や照明などの情報を集めまくりました」。
カラフルなライトが映えるグレートーンの空間
そうしたなかで出会ったのが、ババグーリのペンダントライト。
ホテル好きの夫妻が、とあるホテルに関するSNSの記事で見つけたババグーリのペンダントライト。「見た瞬間絶対これだと確信し、このカラフルなライトが似合う部屋にしてください、と設計デザイナーさんにお願いしました」。
この照明をともすと色のグラデーションが現れ、グレー調の空間をほんのりと彩るのが印象的。
またリビングの一角にはワークスペースを設置。造作のデスクにイームズのチェアなどを配し、機能的かつ視界に入ってもスマートなしつらいです。
このほか寝室はガラス張りの引き戸で開放感を獲得し、既存の1室はウォークインクローゼットと土間空間に活用。
「私の妹は実家の変化にかなり驚いて『以前ここになにがあったのか、もはや全然思い出せない』なんて(笑)」。実家リノベのおかげで憧れのインテリアを実現でき、さらに住み慣れた地域にこれからも暮らすことができて幸せ、と妻は話してくれました。
磁器質タイル貼りの床と自然塗料のムラを生かした塗装壁で、シックにまとめたダイニング。夫妻がインスパイアされた色ガラスのペンダントライトやユニークな形状のテーブルが個性を発揮します。
食事をはじめ、妻の仕事やメイクにと、大活躍の円形テーブル。太い脚の中にはなんと砂袋が入っており、安定感抜群。創業98 年のインテリア家具専門店「RAM」の製品。
リビングには「座り心地がよく座面の奥行きが深いので、リラックスできて満足」と、夫妻お気に入りのマレンコのソファ。