壁・床・天井の素材の組み合わせで、住まいの印象はガラリと変わるもの。家づくりの参考にしたい、異なる内装材づかいで心地よい住まいを実現した、2つの事例を紹介します。室内に外を感じさせる素材や色・柄を使った開放的な気分にひたれる家。そしてもうひとつは、グレー&ブラックのシックの組み合わせが、落ち着いた雰囲気を醸し出す家。ヒントが詰まっています。
すべての画像を見る(全10枚)CASE1.シックでモダンな内装が目を引くミニマルデザイン
●Yさんの家 神奈川県 設計/LEVEL Architects 撮影/中村風詩人
Yさん夫妻の住まいは、グレーとブラックでシックにまとめた内装で、モダンな雰囲気が漂います。壁はモルタル仕上げのような質感を求めて、下地材のカチオンを左官仕上げ材として活用。手塗りによるコテ跡のムラが、光の反射で美しく浮かび上がり、クールななかに温かみを添えています。
また、床は部屋の用途やインテリアに合わせて、土間コンクリート、オーク3層フローリング、コルクと厳選。オリジナルデザインで造作した建具や収納と相まって、ミニマルな空間を創出しています。
LDK(トップ写真)は、壁と天井をカチオンで仕上げ、床はオーク3層フローリングに。色調を合わせて引き戸式の造作収納も設けました。内部にテレビの格納スペースがあり、視聴時以外は、閉じで美しい壁の状態に。
キッチンは、扉と側面はラワン材+グレー塗装、天板はブラックのフィオレストーンで造作しました。グレーの濃淡をつけた内装や袖壁で、妻が望んだこもり感や陰影を創出。
理想のテイストを追求した住まいは、インテリア好きの妻が選び抜いた家具や小物が彩る、落ち着いた空間になりました。
グレーの壁に陰影が映る階段室は、ギャラリーを思わせる美しさです。
足触りのよいコルクを床に用いた寝室。