「どうぶつ」と「ことわざ」の共通点はなんだと思いますか? それは、“知っているようでじつはよく知らない”ものだということ。ふだんよく見聞きする動物たちも、生態や行動、姿かたちの意味など、たくさんの秘密をもっています。それはことわざもまたしかり。慣れ親しんだ表現も、じつは意味がよくわからないまま聞き流しているという場合も多いのではないでしょうか。
知られざる動物のヒミツとことわざを楽しむ学ぶ
すべての画像を見る(全5枚)でも、そのままにしているのはもったいない! たくましく生きる動物たちの暮らしぶりや、どんな時代にも通用するさまざまなことわざは、どちらも私たちに「生きる知恵」を与えてくれるものだからです。
動物学者の小林朋道先生が監修した『どうぶつことわざ辞典』(扶桑社刊)は、動物のヒミツとことわざを、なんと一緒に学べてしまう本。子どもから大人まで、“なるほど~”とうなずきながら読めること間違いなしです。
●人はみかけによらぬもの
(意味)人の性質は外見からはうかがい知れないということ。
「シロクマ」という呼び方でもおなじみの「ホッキョクグマ」は、呼び名のとおり全身真っ白なイメージがありますが、じつは体毛は透明で皮膚は真っ黒!
さらに、イラストなどでは、ぽっちゃりでのんびりとしたキャラクターに描かれがちですが、ほかのクマに比べて顔が小さく首が長いという泳ぎに適した体で、前足を使って時速10kmで100kmも泳ぎ続けることができるタフな動物なのです。
パッと見ただけでは気づかないことが、世の中たくさんあるのですね。
●子はかすがい
(意味)子どもへの愛情から夫婦の仲がなごやかにない、縁がつなぎ保たれることのたとえ。
「チベットモンキー」は中国中東部の山岳地に生息するサルの仲間。群れて暮らすぶん争いごとも多く起きますが、彼らはとても珍しい方法で仲直りを試みます。それは、負けたオスが群れから子ザルを借りてきて、勝ったオスのもとに連れていくというもの。子ザルのかわいさにあやかって、関係をもとに戻そうというわけです。
2匹で一緒に子ザルを抱き上げたら、それが仲直りの合図。子ザルも、群れの平和にじゅうぶん貢献しているのです。