53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小2の長男・うーちゃん、同じく里子から養子になった長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、ぽん子ちゃんがつくったお弁当を持って、うーちゃんの野球の見学に行くお話です。
食いしん坊のぽん子ちゃん。お弁当のおかずを自らつめて…<古泉智浩の養子縁組やってみた103>
もうすぐ5歳になる養子のぽん子ちゃんが、小さい保存容器をキッチンの引き出しから出して、お弁当をつめていました。
「ぽん子ちゃんのおべんとうだよ」
この日は日曜日で、小2のお兄ちゃんが少年野球でお弁当が必要だったため、ママが早起きでお弁当をつくっていました。そうして余った卵焼き、炒めたブロッコリーを、赤くて丸い形の保存容器にぽん子ちゃんがつめています。
すべての画像を見る(全4枚)「ここにまだなにかはいるよ」
そう言って冷蔵庫をあけると、ケースに入ったプチトマトがありました。高い場所だったので僕が取り出してフタをあけると、ぽん子ちゃんがお弁当のスペースに入れました。
「ここもなにかはいる」
まだわずかに隙間がありました。
ぽん子ちゃんはまた冷蔵庫をあけると、赤いウィンナーを見つけて僕に袋をあけるように言います。ハサミで切り込みを入れて取り出すと、ちょうどぴったりになりました。
ウィンナーは切り込みを入れて炒めてタコさんウィンナーにするようにママが買っていたもので、フライパンで炒めた方がおいしいけどなあと思いましたが、そんなことを言うとぽん子ちゃんが自分でがんばってつくって満足しているものにケチをつける形になってしまいます。
ウィンナーはそもそもそのまま食べられるようになっているので、いいのではないでしょうか。
●完成したお弁当を持って、うーちゃんの少年野球の見学に
彩りもばっちりなすばらしいお弁当です。フタをして、小さな手提げカバンに入れて、お箸も入れました。それを持ってお兄ちゃんの野球の見物に行きました。お兄ちゃんは2年生だけで野球練習場の脇にあるゲートの向こうの敷地で練習をしていました。
トスバッティングという、地面から突き立った棒の先端にボールを置いて、それをバットで打つ練習をしていました。ボールを打ったら一塁に走って、アウトなら守備をして、セーフなら塁に出て次のバッターの打撃を待ちます。そうして順繰りに守備とバッティングを交代しながらやっていました。
僕はそんな練習の様子を見ていましたが、ぽん子ちゃんは地面に落ちている枝を拾って木に引っかけたり、小枝を集めるなどの遊びをしていました。なにが楽しいのか不明ですが、熱心にやっていました。