SNSで人気のファッションイラストレーター・珍田さんと、ライターの野田春香さんがタッグを組んだ連載!「こんなときどんな服を着ればいいかわからない」のあるあるなお悩みに合わせたアイテムやコーディネートを、30~40代の今を生きる3人の個性豊かな女性の日常とともに紹介していきます。

◆前回の話はコチラから◆
親友に「話したいことがある」と言われた日のベージュのトレンチコーデ。揺れる心に思わず本音がポロリ

SNSで人気のファッションイラストレーター・珍田さんと、ライターの野田春香さんがタッグを組んだ連載!「こんなときどん…

 

登場人物
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【今回の主人公は、ベーシックな服装が得意の“ミキ”】

40歳のミキは埼玉に暮らす専業主婦。夫、中1の息子、小4の娘、義母と同居中。近所のケーキ屋さんで週3パート勤務。158cm、標準体型。やさしげなオーラがありだれからも親しまれるがそれが裏目に出て舐められることも。どんな場にも対応できるベーシックな服装が得意な一方、地味になりがちなことが悩みです。

外出・おうち着…とにかく使える「フーディ」は1枚欲しいアイテム!

第15回は「フーディ」の着まわし。近所の外出やおうち着としてなにかとちょうどいいフーディだけど、ひと手間加えるだけでおしゃれ着にもなるんです。日常のなんてことないシーンでもすてきでいられる方法、とっても簡単です。

●<おうち>白ロンTをインするだけでコーディネートの仕上がりがランクアップ

【11/28 月曜日 AM8:30。家で家事の合間に】

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ミキ:子どもたちを送り出し、ジムに行くため急いで家事を片づける。動きやすいフーディは家事をするのがラクだし、ジムへ行くにも雰囲気はぴったり。グレーや黒だとカジュアル感が強いから、やさしげなムードが好きな私にとっては上品さを持つネイビーが便利。インナーには白のロンTを。首もとと裾からチラッと出せばおしゃれ度が高まるし、防寒にも最適。ウエストゴムのセンタープレスパンツがあれば動きやすさときちんと感を両立できて、義母にだらしないと言わせることもなく、ある程度の“いい妻らしさ”をキープできている(と思っている)。

義母と一緒に生活をはじめてからもうすぐ一年たつ。お互い適度な距離を保ちながら生活できているので大きな不満はない、が。「ミキさん、ハヤト(息子)の性教育、ちゃんとしていらっしゃるの?」。今朝の情報番組で特集していたうえ、最近ネットでも頻繁に話題になっていると突然の一言。普段ハヤトの教育に対してなにも言わずにいてくれているのに、今日は大真面目な顔で問いかけられ、なんと答えたらいいのかわからず「え、えぇまぁ、それなりには…」とあやふやな返答をしてしまった。

洗濯機から洗い終わりを知らせる機械音が救世主に思えた。急ぐ仕草で洗濯物を取り出しに行くと、見慣れない男物の派手なパンツ。ハヤトか…色気づいたな。最近髪型やまゆ毛の輪郭にもこだわるようになった。祖母が性教育を口にするのも無理はないのかもしれない。離れた関係のほうがそういうことには敏感。これまで一度もそんな話をしたことはないとは義母には言えないな。

部屋へと戻ったら「さっきの話、ちゃんとお願いしますね」と念押しをされ、なんとなく苦い思いを抱えながら、ジムのスタジオレッスンの時間に遅れるのでと急いで家を出た。