家族や仕事が第一優先で、自分のことはあと回し。そうやってがむしゃらにがんばってきたなかで、ふと立ち止まって「これから」の人生を考えたときに「どう生きたいのか」「なにがしたいのか」に悩む50代、60代が増えています。豊かに広がるセカンドライフで、もっと生き生きと自分らしく輝くためのヒントとは?自閉症の子どもをもつパートナーと、59歳から事実婚を続ける女優の加賀まりこさんに、どんなときも自分の気持ちに正直に生きる大切さをうかがいました。
「私は欲深いの」加賀まりこさん流・毎日を豊かに生きるヒント
すべての画像を見る(全2枚)これからの人生をより楽しく、充実したものにするために…。10代のデビューから78歳の今に至るまで第一線で活躍する加賀まりこさんが、心強いエールを送ってくれました。
●明日どうなろうと、やりたいことをやる
「いちばん言いたいのは、人からどう思われるかなんて考える必要ない! ってこと。人間関係も仕事も趣味も“好きなこと”だけに囲まれていればいいんだから」
子育ても仕事も一段落し、これから第二の人生を送る読者世代。自分のための時間をどう過ごしていこうか…と悩む人へ向けて、加賀まりこさんが、力強い言葉をかけてくれました。17歳で映画デビューして以来、旧来の価値観に縛られない率直な発言と行動で、ときにバッシングを受けたことも。それでも、「世間体なんて気にせず、自分に正直に生きてきた」ときっぱり話します。
「たいがいの愚痴や悩みって、人の目を気にするせいで生まれるのよね。でも、ほとんどの人は他人のことなんて考えちゃいない。私だって1ミリもそんな暇ないわよ。他人の評価は無視するくらいでちょうどいいの」
新しいことに尻込みしてしまう人には、気持ちのおもむくままに動くことで、自分の世界を広げていく大切さをアドバイスしてくれました。
「若い人向けのお店にも気にせず買いに行くし、人気のラーメン屋にも並ぶ。服を買うときは『孫のじゃなくて、私のよ!』って先に言うのね。たいがい誤解されるから(笑)。本屋には毎日のように行って新刊をチェックします。最近では宇野 碧さんの『レペゼン母』がおもしろかったかな。私は欲深いのね、きっと。本を読んでいて『今日は100ページまで読んだらやめよう』と思っていても、おもしろければ全部読んじゃう。次の日、目が痛くなってつらいんだけどね。でも、明日どうなろうと読みたいものは読むし、食べたいものは食べる。自分の“欲”に対して正直でいることって、大事だと思うから」
持ち前の旺盛な好奇心が発揮されるのは、人づき合いでも同じです。
「私は昔から、興味をもった人には自分からノックして友達になってきた。だって、待っていたってだれが声をかけてくれるの? 人生、そんなに甘くない。自分で動かなきゃいいことなんて起きないでしょ。あなたを知りたいという気持ちが伝われば、相手も嫌な気はしないだろうしね。冷たくされたら、間違えました! ってUターンすればいいだけ」