家計簿をつけたり、レシートを管理してみたり。あらゆる貯金術を試したけれどうまくいかない…という人も多いのではないでしょうか?

「貯金上手になるには、こまめな家計管理は不要です」というのは家計再生コンサルタントの横山光昭さん。だれにでもできるという、究極のシンプル貯金術を教えてもらいました。

役割の異なる口座を使い分ければ、自然とお金が貯まる

貯め上手な人が効果的に活用しているのが銀行口座の使い分けです、と横山さん。

たとえば、住宅ローンや光熱費など引き落としの支払いは「使う」口座で一括管理。
「貯める」口座は財形貯蓄や自動積立定期を使って、自動的に貯金が増えていくようにします。
急なトラブルや特別支出用のお金も取りおけば、将来のための貯金がなし崩しになりません。

「一度仕組みをつくればあとはほったらかしでOKです。簡単にできるのでぜひトライを!」(横山さん)

固定費と生活費を管理する、<使う口座>

夫と妻の収入から、毎月、一定額の生活費を入金する口座をつくります。

「まずは、固定費と生活費を書き出しましょう。給料が入ったらこの2つの合計とこづかいを引き出し、固定費分は使う口座へ。生活費とこづかいは手元で管理します」

やりくりに慣れ余裕が出てきたら、口座に生活費の1か月半分を目安にお金を多めに入れておくと安心。

「でも、生活費がたりなくなっても、引き出すのはこの口座からだけにするように心がけて。黒字分が貯まったら、半年に1度『貯める口座』に移しましょう」

●わが家の固定費

毎月かかる固定費を書き出して、合計いくらかかっているのかチェック。
「固定費が少ないほど、ムリなく、継続して貯金しやすくなります」

・住居費+通信費(固定・携帯・ネット)+そのほか(子ども費など)+水道光熱費+生命保険料=固定費の総額

●わが家の生活費

手取り月収から貯金と固定費を引いて、生活費に使えるお金を出します。
「食費や日用雑費などがこの額に収まるように、やりくりしましょう」

・手取り月収-月の貯金-月の固定費=月の生活費

目的別に管理して!<貯める口座>

預け先は、自動積立定期がベター。ほうっておいても貯まるので、貯金が苦手な人でも確実。

また、貯める口座は、目的別に分けるのが成功の秘訣。目的ごとに貯金が増えていくのが励みになり、ほかの目的で引き出す失敗の防止になります。
口座をいくつももつのが面倒なら、1つの口座で複数の目的別貯金ができるネット銀行がおすすめです。

「がんばって貯めていたのに、想定外の支出で挫折するのはよくあること。目的別でガードしておくと、必要なものにはお金を使いながら、貯金が続けられます」

つくっておくと便利なのが、急な事態に備える「生活防衛資金用」や、日常生活の大きな出費に備える「特別支出用」の口座。

●生活防衛資金用

給料6か月分をイメージしたイラスト
急な収入減に備えて生活費の6か月分を貯めておきましょう
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急な収入減や家族の病気など、いざというとき生活を守るための口座。
「最低でも生活費の6か月分を入金しておきましょう。使ったときは補填して、常にこの額で備えて。万一失業しても、生活を立て直すまで半年の猶予ができ、借金せずにすみます」

●将来の出費用

マイホームと車のイラスト

クルマの買い替え、マイホーム資金、直近の教育資金など、将来必要なお金を貯める口座。

「目的以外では引き出さないで、貯めていく口座です。目標額を決め、計画的に貯めましょう。増えるのが目に見えてわかり、がんばる励みになります」

●特別支出用

固定資産税や自動車税、年払いの生命保険料など、「使う口座」での管理が難しい年間で必要な特別支出用のお金を貯めておく口座。
「昨年の額を参考に、月々の積み立てやボーナスから入金を。大きな支出があっても赤字にならず、貯金が継続できます」

●財形貯蓄&学資保険

大学の入学式のイラスト

給料天引きの財形貯蓄、教育資金づくりが目的の学資保険も、貯める口座の一種。

「どちらも強制力があるのがメリット。財形貯蓄は、住宅資金目的なら住宅財形、老後資金目的なら年金財形、と使い分けて。利息が非課税なのもポイントです」