奨学金返済が家計の負担に…という悩みが増えています。
ここでは、「夫婦ともに奨学金の返済があり、赤字から抜け出せない」というESSE読者の佐々木成実さん(仮名)の家計のお悩みを、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが診断しました。
赤字続きで、ついに学資保険を解約。どうすれば黒字家計になれますか?
【相談者】
佐々木成実さん(仮名) 山梨県・32歳(専業主婦)
夫33歳(会社員)、長女7歳、二女2歳
【お悩み】
夫婦とも奨学金返済があり、赤字から抜け出せません。補填に使っていたボーナスも底をついてしまい、ついに長女の学資保険を解約。
現在、第三子を妊娠中で、生まれたらさらに出費が増えそうです。食費以外に見直すべき費目は?
【佐々木さんの家計収支】
夫の月収(手取り) ¥240,000
児童手当 ¥25,000
収入合計 ¥265,000
住居費 ¥80,000
食費 ¥110,000
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電気料金 ¥5,000
ガス料金 ¥8,000
水道料金 ¥3,000
通信費(携帯電話2台分) ¥8,000
(プロバイダー) ¥4,000
(NHK受信料) ¥2,700
日用雑費 ¥15,000
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レジャー・交際費 ¥10,000
子ども費(習い事)¥13,000
(ミルク、オムツなど) ¥5,000
クルマ費 ¥5,000
クルマローン ¥13,000
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奨学金返済(2人分) ¥27,000
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こづかい(夫) ¥5,000
生命保険料(夫) ¥6,000
(妻) ¥2,000
学資保険 ¥5,000
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貯蓄 ¥0
支出合計 ¥326,700
収支 −¥61,700
ボーナス収入 ¥1,400,000 ←check3
現在の貯蓄 ¥100,000
予算決めとボーナスの使い方で赤字解消を
佐々木さん自身が感じているように、食費11万円は多すぎ!
食費のやりくりは、家計管理の基本です。使いすぎてしまう人は、予算を決め買い物するのがもっとも効果的。1日の予算を1500円と決め、財布にそれだけを入れて買い物に行きましょう。
米代5000円、外食代2万円を加えても、予算7万円に設定可能。日用品も在庫を確認し、たりないものを買う方法で、5000円ダウンを目指しましょう。
赤字のもうひとつの原因になっている奨学金返済とクルマローンは、ボーナスから出しましょう。
ほかの目的で使い込まないように、返済用の口座をつくり、年間48万円を入金。月の赤字をずるずる補填するより、ボーナスがなし崩しになりません。
3つの見直しで、家計は約2万円の黒字になるはず。その分で、第三子の学資保険に加入しましょう。
学資保険は出産140日前から加入が可能なので、出産を待たずに加入するのがおすすめ。今後は解約はご法度です。
<check1>1日の食費予算は1500円!外食も予算を決め4万円減を
毎日買い物に行き、子どもにおやつを1個買うのが習慣になっている佐々木さん。
1日の食費予算を1500円に決めましょう。財布に1500円だけ入れ、クレジットカードの利用は休止。1500円でなにが買えるか、子どもと一緒にゲーム感覚で楽しんでみては?
余ったお金は翌日に繰り越し、黒字分でプチぜいたくもOK。
毎週末行く外食も、1回5000円×4週で予算2万円に抑えましょう。米代は5000円にして、食費は計7万円を厳守!
<check2>日用雑費は重複買い&ムダ買いをストップ!
日用雑費1万5000円は使いすぎです。日用品は在庫を1個と決め、重複買いの防止を。必要なものだけメモして買うようにすれば、「特売」や「ポイント○倍」に惑わされません。
日用雑費の予算は1万円に減らし、家電の故障など突発的な出費については、ボーナスから1回3万円(年間6万円)を封筒などにとりおいて対処を。
予備費があると心にゆとりができて、ストレス買いも防げます。
<check3>奨学金返済とクルマローンはボーナスからまとめて用意
奨学金返済とクルマローンの合計4万円は、ボーナスから捻出。専用口座をつくって1回のボーナスから24万円(年間48万円)を入金し、ローンの引き落とし口座もここに指定を。
ほかにも、ボーナスから出す自動車税や自動車保険料、家族旅行などを書き出して予算化しましょう。
そのうえで、残ったお金は、確実に貯蓄すること。また、見直しで出た月の黒字2万円のうち、1万円は第三子の学資保険料に、1万円は第三子の育児費にあてましょう。