海辺に立つ築約75年の平屋をリノベーションした事例です。サンルームやサニタリーを海側に増築することも行いました。サンルームからは、大迫力の相模湾を一望することができます。土地の魅力を最大限に生かしたプラン。海も山も存分に愛でることができる住まいです。

サンルーム
相模湾を一望するサンルーム。さえぎるもののないオーシャンビューを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる
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古い家屋を受け継ぎ、時を経て現代的な住まいに

フィリップさんの家 神奈川県

  • ・家族構成:本人 パートナー
  • ・築年数:築約75年(1947年頃築)
  • ・敷地面積:778.00㎡
    ・延床面積:98.54㎡
    ・設計:萬代基介建築設計事務所
ソファに座ると庭の緑も海も眺められる開放的なリビング

海と山、豊かな自然に囲まれたフィリップ邸。リビングのソファに座ると、庭の緑も海も眺めることができます。

古い欄間を撤去してガラスにしたことで、抜け感とモダンな雰囲気がプラスされた。長押(なげし)から下の壁は構造も兼ね、その上は片持ちの柱で屋根を支えています。

「当初は長野や山梨などの土地を探していたのですが、なかなかいいご縁がなく、あきらめかけた頃偶然ここに出合えました」と話すフィリップさん。リノベーションは、知人の紹介で知り合った建築家の萬代基介さんにお願いしました。

 

テラス
増築したサンルームの先にあるテラスでは、天候や時間によって刻々と表情を変える自然との一体感が味わえる

萬代さんはフィリップさんの思いを実現するべく、広大な敷地の中にある平屋の海側を増築して、サンルームやサニタリーを配置するプランを提案。既存の建物とうまく調和させ、家としてのポテンシャルをより高めました。

海に面した西側のサンルームは、群生する笹越しに相模湾を望み、さながらリゾート地にいるかのような趣。リビングダイニングには、庭の眺めを存分に楽しめる大きな窓を設けることで、自然との一体感を楽しめるように。

この圧倒的な自然とのつながりをベースに、フィリップ邸は日本的な情緒とモダンが融合した静謐な空間を創出しています。

 

薪ストーブ
「どうしても設置したかった」と、フィリップさんが熱望したリビングの薪ストーブ。エアコンと違って輻射熱の効果がとても大きく、体をしっかり温めてくれる

「もともとは一面が雑草に覆われていて、眺望がいいかどうかすらわからなかった(笑)」と振り返るフィリップさん。しかしリノベーションが終わって暮らし始めてからは、この地ならではの「心地よさ」を日々実感しているそうです。

 

既存の梁や柱
既存の梁や柱を生かすことで、木の温もりや懐かしさを感じられる住まいに

「これまでの歴史を引き継いで、新たに生まれ変わったこの家で、どのように私たちの生活が変わっていくのか楽しみにです」。すでにフィリップさんは、この家のさらなる未来を見据えているようでした。