秋は祝日が多く、旅にはもってこいの季節です。日本随一の観光都市といえば京都ですが、最近はただ旅するだけでなく「暮らす」ように泊まれるホテルが増えているんです。今回はトラベルエディターの佐藤望美さんが、ここ数年でオープンした注目ホテルを教えてくれました。
京都で暮らすように泊まる。ディープで地元気分を味わえるホテル3つ
京都は国内旅行はもちろん、インバウンド人気も常に高い一大観光都市。じつは、コロナ禍にも関わらず新しいホテルが続々とオープンしているんです。
「最近は、ロングステイを意識したホテルや京都暮らしを体験できるようなホテルが多い印象です。コロナで家で過ごす時間が増え、インテリアや暮らしそのものを大切にしたいという人が増えた影響かもしれません」
京都への旅取材も多くこなしている佐藤さんに、おすすめのホテルを3つ挙げていただきました。
●1:祇園住まいみたい。新旧の京都をいいとこ取りできるカジュアルなホテル
まずご紹介するのは、祇園エリアに2021年オープンした「OMO(おも)5京都祇園 by 星野リゾート」です。
すべての画像を見る(全10枚)写真左に写っている暖簾が、ホテルの入り口です。奥に見えている八坂神社までは、なんと徒歩約1分!
「高台寺や安井金比羅宮、花見小路が徒歩圏内という立地のよさが魅力です。このホテルでは早朝の祇園界隈をガイドしてくれる無料のツアーを開催しています。まるで祇園に住んでいるかのような、日常の祇園の風景を見られて楽しいですよ」
祇園エリアの日中は、どこも観光客でいっぱい。早朝だからこそお参りしやすく、写真撮影もスムーズにできるんです。
「もうひとつ、このホテルでぜひ体験してほしいのが『おへやベーカリーセット』。朝食つきのプランにすると、客室に備えつけられたホームベーカリーで焼きたてパンを楽しむことができます」
じつは京都はパンとコーヒーの街。喫茶店やベーカリーがたくさんありますが、焼きたてパンを客室で食べるのは最高の贅沢です。
パンの材料はあらかじめ計量ずみなので手間なし。オリジナルのコンディメント(調味料)6種やドリップコーヒーもセットになっています。
「キッチンつきの客室もあり、錦市場で材料を調達して自分たちで料理することもできます」
「このほか茶臼で茶葉を挽いてお抹茶をいただくサービスがあったりと、寺社仏閣巡り以外のディープな京都を楽しめるホテルです。星野リゾートといえば高級、お高いというイメージがありますが、このOMOはカジュアルに泊まれるブランド。価格もリーズナブルです」
●2:リピーターには梅小路エリアがおすすめ。公園を臨むおしゃれホテル
寺社仏閣は一通り制覇した、というリピーターの人におすすめしたいホテルは「梅小路ポテル京都」です。
梅小路はJR京都駅の西側にあり、2019年に新駅(JR梅小路京都西駅)が開業したばかりの注目エリア。京都鉄道博物館や京都水族館があります。
「エリアの中心にあるのは梅小路公園。その公園の目の前にあるホテルです。緑が見える開放的なガーデンタイプの客室はテラスからの眺めに癒される! 犬の散歩やジョギングしている人がたくさんいて、京都に暮らしている気分に浸れます。もちろん自分でも早朝に公園を歩くのがおすすめです」
このホテルには、地元の人も観光客も入り混じって交流を楽しんでほしいというコンセプトがあり、宿泊者専用のパブリックスペースが充実しています。
「本やボードゲーム、レコードなどを楽しめるスペースが各階にあります。フリードリンクコーナーもあり、夜はアルコールも提供! ワイン片手にレコードを聴いたり、読書したりと観光だけでなく自分リセットの時間もつくることができます。コロナ禍で自粛気味になっているほかの宿泊客との会話も楽しみたいホテルです」
コーヒーコーナーはハンドドリップ。パブリックスペースで飲むほか、公園散歩に持ち出したり、もちろん客室で楽しむのもOK。
「客室もパブリックスペースも、とても居心地のいい空間。観光客だけでなく、地元の人がリピート宿泊しているケースも多いようです」