アドバイス:周辺環境だけでなく法律も変わるという認識を

野原
写真はイメージです
すべての画像を見る(全5枚)

周辺の環境はずっと変わらない、と思っていたことに落とし穴があった事例です。周辺環境が変わっても、眺望や通風採光を確保する家づくりの考え方が必要でした。一級建築士・大島健二さんが詳しく解説します。

 

●一級建築士からのアドバイス

設計者は、「周辺環境(眺望や風通し)というものは常に変化し、家の建て方(配置)などの常識もあてにならない」といったことを家づくりの最初の段階で建主に伝えておく必要があります。

「北の隣地は北側に道路があるから家を北側に寄せて建て、南側に庭をつくるだろう」といったことも今では常識とはいえませんし、「隣に広がる田園風景は市街化調整区域だから家は建たない」という考え方も絶対ではなく、申請すれば建築許可が下りる場合や、法律自体が変わることもあります。

 

富士山の眺望
写真はイメージです

今回の場合「富士山の眺望」を絶対条件とするならば、予算をそこに集中し、「3階建て+屋上」ぐらいに徹底して、周辺環境の変化に影響されない間取りにすべきであったでしょう。

もしくは、2階建ての場合、大きなピクチャーウィンドウではなく「富士山鑑賞用ミニ窓」くらいにしておいて、眺望がなくなっても快適に住めるような中庭がある間取りにするなどの工夫が必要だったといえるでしょう。

関連記事

リビング隣が和室の間取りに後悔。「畳にゴロン」は夢となる寝室が広すぎた!2年住んでみて後悔している間取り&設備4つ浴室設備を標準仕様にして後悔。使い勝手悪い小物類にムダな機能…