玄関スペースは、家の出入りや収納を確保に必要不可欠な場所。とはいえ、リビングのように一日うちで長く使うスペースでもありません。広くしたり、立派にしたりするのはもったいないと感じる人も。それなら、玄関スペースを有効活用する間取りの工夫をしてみましょう。一級建築士の新井崇文さんが自身の設計した事例を交えて、設計のポイントなどを紹介。

部屋と一体になった玄関
玄関が部屋の一部を兼ねることで、空間がゆったり見える
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玄関を<部屋の一部&セカンドリビング>として利用

アプローチの様子

玄関スペースを有効活用する間取りの工夫のひとつに「玄関をある部屋の一部として使ったり、セカンドリビングにしたりする」という手があります。筆者が設計した事例をもとに、説明していきましょう。

このお宅は、板塀の門扉を通り、中庭経由で玄関へアプローチするという動線になっています。

 

中庭に面した玄関スペース

玄関スペースは、中庭に面した開放的な空間です。

 

マッサージコーナーから見る玄関

玄関は5畳サイズのゆとりあるスペース。タイルを敷いた土間からフローリング床に上がると、そこは妻の仕事場に。施術で使うマッサージコーナーとなっています。

マッサージコーナーが玄関と一体のようになることで、広々としたスペースに。広めの玄関スペースが、決して「過剰」でも「ムダ」になることなく、意味のある存在として機能しています。

この事例では、お客様を迎えるスペースになっていますが、この手法は、たとえばテレワーク用のスペースであるとか、子ども部屋などにも応用できるでしょう。

 

仕切りの様子

ちなみに、必要に応じて仕切ることができます。天井にはロールスクリーン(天井の黒いラインの部分)が埋め込まれていて、施術や着替えの際に利用。

 

マッサージコーナーから玄関を見る

このゆとりのある玄関スペースは、最近ではベッドをたたんでデスクを設置し、夫の在宅ワークにも使われています。ロールスクリーンで区切れるので、集中して仕事することができると好評です。