玄関スペースは、家の出入りや収納を確保に必要不可欠な場所。とはいえ、リビングのように一日うちで長く使うスペースでもありません。広くしたり、立派にしたりするのはもったいないと感じる人も。それなら、玄関スペースを有効活用する間取りの工夫をしてみましょう。一級建築士の新井崇文さんが自身の設計した事例を交えて、設計のポイントなどを紹介。
すべての画像を見る(全25枚)玄関を<部屋の一部&セカンドリビング>として利用
玄関スペースを有効活用する間取りの工夫のひとつに「玄関をある部屋の一部として使ったり、セカンドリビングにしたりする」という手があります。筆者が設計した事例をもとに、説明していきましょう。
このお宅は、板塀の門扉を通り、中庭経由で玄関へアプローチするという動線になっています。
玄関スペースは、中庭に面した開放的な空間です。
玄関は5畳サイズのゆとりあるスペース。タイルを敷いた土間からフローリング床に上がると、そこは妻の仕事場に。施術で使うマッサージコーナーとなっています。
マッサージコーナーが玄関と一体のようになることで、広々としたスペースに。広めの玄関スペースが、決して「過剰」でも「ムダ」になることなく、意味のある存在として機能しています。
この事例では、お客様を迎えるスペースになっていますが、この手法は、たとえばテレワーク用のスペースであるとか、子ども部屋などにも応用できるでしょう。
ちなみに、必要に応じて仕切ることができます。天井にはロールスクリーン(天井の黒いラインの部分)が埋め込まれていて、施術や着替えの際に利用。
このゆとりのある玄関スペースは、最近ではベッドをたたんでデスクを設置し、夫の在宅ワークにも使われています。ロールスクリーンで区切れるので、集中して仕事することができると好評です。