『ドラえもん』のスネ夫役をはじめ、『鬼滅の刃』の不死川実弥役や『呪術廻戦』のパンダ役など、話題作に多数出演している人気声優・関智一さんの暮らしのエッセイが今回よりスタートします! 多趣味で知識も豊富な関さんの日常を読者のみなさんにお届け。記念すべき第1回目のテーマにも注目しながらお楽しみください。
声優・関智一、「生前葬」で気づかされたこと
すべての画像を見る(全5枚)みなさん初めまして、声優の関智一と申します。デビューしたのが二十歳頃ですから間もなく三十周年を迎えます。おもに、アニメ、洋画の吹替えやナレーションなど、最近ではテレビのバラエティやドラマと、有難いことに様々なジャンルのお仕事をさせていただいています。
しかしながらエッセイは初挑戦。「ぜひやらせてください」と言ってみたものの一体どんな事を書いていいものやら迷いに迷った挙句、妙案も浮かばぬまま…書き出さねば始まらぬと強引にキーボードを叩き始めました。
●コロナの影響で、仕事以外はほぼ引きこもり…
最近なにかおもしろいことあったかしら…と考えても、御多分に洩れず私もコロナの影響で仕事以外はほぼ引きこもり状態。めっきり遊びに行く機会は減ってしまいました。
コロナ前は休みのたびに、ネットで近県の道の駅を調べては買い物に行くのが楽しみで、お気に入りは千葉県の「うまくたの里」や群馬県の「川場田園プラザ」…うん、道の駅探訪記なんてのもいいのかも。
いやいや、引きこもり生活のストレス解消も兼ねて始めたレトロソフビ(ソフトビニールでつくられ、中身が空になっているタイプのフィギュア)のコレクションについて語るのもいいか…声優の裏話なんてのもアリだし…。あ、そういえば一つ、変わった出来事があったじゃないか…!
うん、今回はそれについて触れてみようかしら。
●私に届いた一件の“気になる”メッセージ…
ある日スマホのメッセンジャーに、デビュー当時から一方ならぬお世話になっているアニメ制作会社の超偉い方のお知らせが一件届きました。見ると「生前葬のご案内」ではありませんか。
「生前葬」…文字通り、存命している人物が自分自身の葬儀を行うというアレです。話には聞いていましたが、参加したことはありません。確認するとスケジュールも空いています。そこで、この方とはしばらくお会いしていなかったので、純粋に会いたくもあり、参加させていただく旨をお伝えしました。
すると直ぐに「生前葬も良いけど、その前に肉を食べに行こう」とその方からの返信。結局、生前葬の数日前に、ご飯をごちそうして頂くことになりました。
当日お会いすると、以前にも増してお元気な様子。とても八十代半ばには見えません。“生前葬”と聞いて感じていた、さびしい気分も秒で吹き飛びました。
まずはお肉をいただきながらの近況報告。先輩は、以前と変わりなく精力的に新作アニメをつくられているとのこと。かたや自分はというと、変わらずがんばってはいるものの年齢も手伝ってか、前より疲れやすくなっている気が。
自分より三十歳以上も年上なのに凄いバイタリティー。まったく衰えを感じさせません。八十歳を過ぎてなお、何故そんなにも衰え知らずなのか、興味が抑えられず率直に聞いてみました。すると、「自分は八十過ぎだと思っていない」という返事。どういうことだ…? と、さらに聞いてみました。