せっかく建てた家。掃除の仕方を誤ると、知らないうちに家の中を傷つけたり、洗剤の使い方で素材を変色させたりすることも。工学博士で、洗剤メーカーに勤務する日刊住まいライターが、家を長く快適に保つために、実践している掃除方法を紹介します。

洗剤のラベル
掃除する場所が違えば、使う洗剤も違う
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まずは掃除する場所の材質を確認すること!

洗剤のラベル表示

筆者が掃除するときに意識することは、「掃除する場所を変色させない、傷めない」です。そのためには、まずは掃除する場所の材質を確認します。念のため、洗剤のラベル表示も見て、使える場所のチェックも忘れません。

そして、場所ごとに使う洗剤、掃除方法を変えています。もうひとつ注意していることは、できるだけ強力な洗剤を使わないということ。

強力な洗剤を使えば、汚れは簡単に落とせるかもしれません。しかし、それでは使われている素材自体を傷めてしまう可能性があります。そうならないよう手間がかかっても、掃除する場所への影響が少ない方法をとっています。

 

床の汚れはメラミンスポンジと洗剤を使い分ける

床の掃除

子どもがいると、床にクレヨンやオモチャのタイヤの跡などの汚れがつきます。わが家の床は白色のフローリングで、こういった汚れはとくに目立ちます。そのほかにも、落とした食べものや吐しゃ物の汚れがつくことも。

筆者は、汚れの種類によって掃除方法を変えています。クレヨンやタイヤの跡などの汚れにはメラミンスポンジです。軽くこすれば落ちます。

また、食べ物やおう吐したものについては、除菌剤入りの洗剤を使っています。このとき、床に直接吹きつけるのではなく、ぞうきんなどに吹きつけてから床をふいています。

床に直接吹きつけると、フローリングの隙間に洗剤の成分が残りやすくなります。接着剤の成分と洗剤の成分の相性によっては、床が傷む可能性があります。

 

浴室はこまめに掃除、なるべく塩素系洗剤を使わない

浴室の掃除

浴室では、「黒カビ」「ピンクカビ」に注意していて、蓄積する前にこまめに掃除しています。

使う洗剤は浴室用の洗剤1本です。かるい黒カビ、ピンクカビであれば、浴室用の洗剤で十分。ひどいカビに対しては塩素系の洗剤の方がいいですが、わが家では塩素系の洗剤が必要になる前に掃除しています。

塩素系の洗剤は強力なので、できるだけ床や浴槽には使わないようにした方がいいでしょう。

ただ、排水溝の中の掃除には塩素系の洗剤を使います。排水溝の中には髪の毛があり、髪の毛を溶かすには「塩素系漂白剤」がどうしても必要になります。