2008年、記念すべきOUCHI(オウチ)シリーズがスタート!
すべての画像を見る(全11枚)その後、「イエ型」の白い家は人気を博し、2008年に「OUCHI(オウチ)」シリーズがスタートします。
こちらが記念すべき第一号。じつは右側から斜めの高さ制限がかかっていますが、それを左右対称にして形を整えています。
切り取られた壁の隙間に。玄関や窓をまとめてスッキリと。家の正面からは、見えません。
こちらは「OUCHI-04」。最近、全国の住宅業者さんに引用されているデザインですね。それらは単に外壁の貼り分けですが、オリジナルは中庭の目隠しの黒ルーバー壁です。
「OUCHI」シリーズは人気を博し、これは29番目の「OUCHI」です。ピアノ教室がある家なので、外観デザインには、グランドピアノの曲線を取り入れて。白と黒は鍵盤の色でもありますね。
46番目の「OUCHI」では、親子2人で住む家なので、2つの三角屋根を組み合わせてみました。
街の風景になる、個性豊かで世界にひとつの家をつくりたい
いかにもおうちといった風情の、白い家をつくり続けて気づきました。同じ白い三角屋根の家でも、同じにはならないことに。
最小限の線で構成された輪郭ですが、それぞれ違う高さや巾や屋根の角度、さらに窓の形などによって、キチンと個性が出るのです。
さて、建築物はできてしまうと、長期にわたってその場所の風景になります。家は建主のものですが、風景は街に住むみんなのもの。ですから、なるべく多くの人が嫌だと思わない外観がよいと、筆者は思っています。
贅を尽くした邸宅をデザインするのは簡単ですが(費用はかかりますが)、要素が増えれば、そのデザインが嫌いな人も増えます。
そうしたことがなるべくないようにつくりたい、しかも、個性豊かでそれぞれ世界でただひとつの家に。そんな思いを施主と共有しながら、気がつけば20年たっていました。
今日も「イエ型」の白い家を設計中です。