ツイッターのフォロワーが15万人を超える大崎博子(@hiroloosaki)さんは、現在89歳。東京都内の団地にひとり暮らしです。毎日欠かさないのがウォーキングと太極拳。趣味はツイッターに韓流ドラマ。そして月に6日は出かけるという麻雀の会も! どうしてそんなにもアクティブにいられるのか、そのコツをうかがいました。
すべての画像を見る(全3枚)89歳、ひとり暮らしでも毎日が充実している理由
『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた』(宝島社刊)を上梓し、その暮らしぶりが注目されている大崎博子さん。毎日の充実ぶりは、現役世代も驚くものでした。
●お金があったからって充実するとは限らない
「私は戦争も経験したし、若いころには離婚もしました。幼い娘を抱えてね。まだシングルマザーを受け入れてくれる社会じゃなかったから、それなりに苦労もした気がします。その娘も20代でロンドンに留学して、そのままあちらで就職・結婚。でもね。寂しがっていたって仕方がない。だってあまりにも遠いんですもの(笑)。寂しいけど、応援するね。そんなスタンスです」
朝は7時10分ぐらいに家を出ます。決まった時間に歩くことで顔なじみも増え、友達もできました。太極拳があることを教えてくれたのも、そんなウォーキング仲間だったといいます。やがてひとりぼっちのウォーキングも、太極拳仲間とおしゃべりしながら歩くように。やはり仲間のひとりから麻雀の会のことを聞き、今は月に6回は雀卓を囲みます。
「若いころは家族麻雀もしていましたが長い間遠ざかっていた。83歳で会に入ったとき、言われましたよ。『83歳でやめるひとはいるけど、その年から入ってくるっていうのはすごい!』って(笑)」
しかしこれが大当たり。ゲームが始まると、自分の脳がぐるぐる回転するのがわかるほどの活性化になるのだといいます。いろんな人との会話も楽しいし脳トレにもなる。それでいて会費は月に1000円です!
「歩かなきゃ太極拳もなかった。麻雀もなかった。やってみよう、試してみようっていう気持ちがなければ始まらなかったと思います。今はいろんな情報が向こうから飛び込んでくる時代だけど、好奇心がなかったら行動には結びつかないでしょ。お金があったからって楽しい、とは限らないですしね」
●晩酌の友は娘からのLINE電話
病気、寝たきり、認知症。それらを少しでも遠ざけるために、運動や食事には気を使っています。区の健康診断は必ず受け、血液検査も3か月に一度受診します。
「この年になれば、色々出てきますよ。高血圧の薬は飲んでいますし、血糖値が上がってしまったので、糖尿病の薬もね。でも、食事について制限はありません。年を取ってから下手に制限すると、栄養失調になりかねない。だから自分なりのルールで、日々の食事を楽しんでいます」
食事は自炊が基本ですが、既製品も利用します。揚げ物はもうそんなには食べられないし手間もかかる。そういうものは買うことに。炒め物もしますが、味つけは塩コショウでシンプルに。お手製のぬか漬けなどを取り入れて、野菜を中心にたっぷりと。そして欠かせないのがビールやワイン、チューハイなどの晩酌です!
「飲みすぎないようには気をつけています。けど、やめられなくてねえ(笑)。買い物に行ったら、缶ビールなら6缶パック、焼酎なら紙パック。瓶のものはワインぐらいしか買いませんが、自分で持って帰ります」
お夕飯の楽しみは晩酌だけではありません。だいたいその時間になると、ロンドンのお嬢さんからLINE電話がかかってくるのです。
「現地は午前10時ぐらいかしら。昔は国際電話も高くて無駄話もできなかったけれど、今はたわいもない話ばかり。それでも、かけがえのないひとときですよ」