●長く続けるためにはできることとできないことを区別し、無理をしない

工藤良子さん
会長の工藤良子さん
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豪雪の内陸地方ならではの保存技術を、自分たちの代で途絶えさせず、次の世代にも引き継いでもらいたい。そんな思いで活動を続けてきた津軽あかつきの会。代表の工藤さんは、会やイベントの計画立案、進め方を主に行い、お料理は別のメンバーに任せているそうです。それも、活動を続けるために必要なこと。

「高齢になってからは注意力も散漫になってきました。ですからお客様に出す料理には手を出さないようにしているんです。今は週のほとんどを家族と過ごしたり、家庭菜園で野菜などを育てたりして、1日をゆっくり過ごすようにしています」

ある日の一日の流れはこうです。

「6時に起床し、7時半に朝食の用意をして食事。その後お昼まで掃除やら洗濯やら家のことをします。天気の良い日は庭や畑の手入れ、午後に休憩をとり、15時からまた夕食の準備をし、17時に夕食をとり、19時に就寝の日々。晴耕雨読を心がけています。

若い頃は興味を持って意欲的に取り組み、それだけ集中力もありました。でも、今もう81歳。無理せず一つ一つをきちんと果たすようにしています」

自信がないことは人に任せ、自分はできることを丁寧に行う。無理をしないことこそ、長く働き続けるために必要な心構えなのだと言います。

 

●チーム内のトラブルにはきちんと向き合う

若いメンバーも

工藤さんは、活動上の悩みはあまりなかったと言います。とはいえ、人の数だけ考え方があります。20人、30人も集まると、考えのすり合わせをどうしていくのでしょうか。

「そうですね。会の中では仲間の和が保てるように気をつけました。特に料理の味つけではよくもめたので、その都度徹底的に話し合い、一つ一つ丁寧に解決していきました。うやむやにはしませんでしたね。人間関係はトラブルがあって当たり前。実際、小さなゴタゴタは絶えずあります。ただ、それを乗り越えていくことで、会の成長につながっていきます。

津軽あかつきの会の目指す方向についてはいろいろ考え、その都度話し合っていきました。進めていく上で周囲に評価が認められるようになって自信がつき、今に至っています。最近では20~30代の若い女性たちの加入が増えてきましてね。彼女たちには活動を続けてもらいつつ、できれば地域の行事や四季のイベントなどにも積極的にかかわっていってほしい。そして、津軽の食だけでなく、伝統文化を後世に伝えていってもらいたいと思います」

 

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