アドバイス:間取りは、今の家族ではなく、成長した将来を見据えて考える

プランを決めたあとでの変更は、なにかとドタバタを招くものです。加えて、多くのリスクも発生します。そもそも、Wさん夫妻の間取りの考え方自体、もう少し長期的な視点があってもよかったかもしれません。一級建築士・大島健二さんが解説。

 

●大島さんのアドバイス

子どもが子どもである期間は最大でも18年ほどで、さらに個室を必要とする期間はもっと短くなります。また、家族は増えるかもしれないし、将来介護のために親と同居することになるかもしれません。

「間取り」とは、現在の欲望をカタチにするのではなく、自分たちが成長していく、老ていく将来を見据えながら、柔軟に空間をつくっていくことです。

想像しきれない場合は「間取らない」という方法もあり、住みながら少しずつ間仕切りを変化させたりするのが賢明です。

 

設計変更
写真はイメージ
すべての画像を見る(全5枚)

着工後は確認申請に提出した図面と壁の位置や窓の大きさ、位置が変更になる場合には、「計画変更」という追加の申請を行わねばなりません。また構造計算を行っている場合は、再計算が必要になることもあり、追加工事費用だけでなく、設計者に対しても追加の費用と手間が発生します。

工事現場の士気の低下にもつながるので、できる限り「着工後の間取りの変更」は行わないことが望ましいです。

関連記事

リビング階段、トイレ前の収納扉…新居に住んで気づいた残念なこと3つタッチレス水栓、両面焼きグリル…新居につけずに後悔したオプション5つ大きな鏡と浴槽、ガラス扉…築15年、50代になって後悔した浴室設備