間取り図と外観、周囲の環境について

図面
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敷地には塀も柵も設けていない

車庫がないので道路と建物の距離が近いHさんの新居(図面7参照)。あえて柵や塀を設けないのは、互いの行き来をしやすくすることで「地域ぐるみの子育て」を考えているから。地域の目が働くので防犯面でのメリットもあります。

 

夫の息抜きの場所が中庭

リモートワークが主体で、忙しいときには昼夜を分かたず、仕事部屋で過ごす夫。中庭は、その息抜きの場所になりました。「放し飼いにしているカエルもいて、長男と世話するのも気分転換に」(夫)。

 

親子の時間を過ごせるワークスペースが各所に

土間と一体化したリビング

玄関を入ってすぐに目に飛び込んでくる、土間と一体化したリビング空間。夫妻と子ども2人のHさん一家が建てた住まいの特徴は、家族はもちろん地域の子どもたちにも開放されたこの空間に表れています。

「近所の子どもたちをここに集めて、妻が読み聞かせをしたり、僕が勉強を教えたりするのが夢です」と、リモートワークで家にいることが多い夫は語ります。

 

プライベートな中庭

東西に長い敷地を見た瞬間に、「パブリックな道路側から中庭の緩衝帯をはさんでプライベートなダイニング、キッチンという3つのゾーニングが浮かびました」と設計当時を振り返るのは、コーポラティブハウスのプロデュースなども手がけ、建築に心得のある妻。

設計者の松尾宙さん、由希さんはそのアイデアを生かしながら、リビングとダイニング、それぞれの上に独立した上階を設け、リビングの上が夫の仕事場兼寝室、ダイニングの上は子ども部屋という構成に。

 

 ダイニングキッチン

ダイニングキッチンは、2階の子ども部屋とは階段と吹き抜けでつながっているので、互いの気配が伝わります。「目が届かなくても、気配でなにをしているのか、だいたいわかるんです」と妻。

間取りのなかで目を引くのが空間ごとに設けられたワークスペース。子どもたちが自由に創意工夫を発揮する場としてはもちろん、夫婦のワークスペースとしたり、ひとりでも皆でも目的に合わせて一緒に作業したりする場になっています。

「この家に住んで私たちが植物に興味を持つと、子どもたちも植物が増えるたびに名前をつけたりして、自然に情操教育になっているみたい」と妻。家族そろって成長する器のような家が実現しました。

 

クルマもテレビもない!笑顔があふれる住まいに

玄関のデスク

玄関のデスクでは、長男による折り紙展が開催中。絵や折り紙細工などの図画工作に才能を発揮する長男。複雑な造形の折り紙細工は、大人が舌を巻くできです。

 

テレビもソファもないリビング

テレビもソファもないリビング。「家族そろってプロジェクターで映画を観ることも。土日には近所の子どもたちが遊ぶ小さな児童館です」(妻)。

 

リビングとダイニングをつなぐ廊下

中庭の北側、リビングとダイニングをつなぐ廊下。南の中庭側の開口部から光と風を採り入れ、隣地に面した北側では目隠し代わりの白い壁が目をひきます。「厚みのあるベニヤの壁なので、長男の絵を飾ってギャラリーのようにしたい」(夫)。

 

玄関の北側にある収納

玄関の北側にある収納には、登山やキャンプ用品などが整理されています。

 

リビングの片隅に置かれたダイニングチェア

リビングの片隅に置かれたダイニングチェア。「朝はここでぼーっと歯磨きしながら徐々にエンジンをかけていくのが日課です」(妻)