塩分のとりすぎは高血圧や心筋梗塞、脳梗塞など病気のリスクを招きます。
「健康のためにもぜひ取り入れていただきたいのが、塩をあらかじめ水にとかしておいた“減塩水”。塩の代わりに減塩水で味つけすると、塩分カットに」と教えてくれたのは、栄養士で料理家の小田真規子さん。
減塩水を使ったおいしいレシピを教えていただきました。
塩と水を混ぜるだけ!減塩水のつくり方
減塩水をつくる際のポイントは、塩の量をハカリで正確にはかること。また、天然塩は商品によって味やナトリウム量に差があるので、はじめは精製塩でつくり、2種の塩分濃度を舌で感じてみましょう。
●用意するもの
精製塩、水、ハカリ(なければ計量スプーン)、計量カップ、密閉できる保存容器(金属を使っていないもの)大小2個
【濃い減塩水/塩分12%】
・精製塩12g(小さじ2) 水100cc
ハカリで塩12gをはかり、保存容器に入れて水100ccを注ぎ、フタをして完全に溶けるまでふり混ぜる。
小さじ1(5cc)=塩分約0.6gです。下味や味つけのベースに。
しょうゆよりやや薄いしょっぱさ。素材のもち味を引き出し、下味から料理全体の塩気を決めるベースに。100gの肉や魚などに対し、小さじ1が使用量の目安です。
【薄い減塩水/塩分2%】
・精製塩6g(小さじ1) 水300cc
ハカリで塩6gをはかり、保存容器に入れて水300ccを注ぎ、フタをして完全に溶けるまでふり混ぜる。
小さじ1(5cc)=塩分約0.1gです。仕上げや塩分を少し補いたいときに。
仕上げで味を調整したり、水分を補いながら調味する場合に。食卓でちょいかけしたいときに活躍。また、薄い減塩水に酢やレモン汁を加えると、より塩気を感じて減塩に。
減塩水を使っておいしく減塩!鶏と根菜の照り煮
味がしみ込みにくい根菜の煮物は、ついつい調味料をプラスして塩分が濃くなりがち。普通につくると塩分は1.8gですが、減塩水なら塩分1.1gでおいしくつくれます。
●鶏と根菜の照り煮
下ゆでして濃い減塩水をからめるテクで、味がしっかりからみます。
カレー粉の風味と仕上げに加える薄い減塩水+酢で、塩分控えめなのにパンチのある味わいに。
【材料(4人分)】
・鶏モモ肉(余分な脂肪を除いて1枚を6等分に切る) 小2枚
・大根(1.5cm幅の半月切りかいちょう切り) 400g
・ニンジン(乱切り) 1本
・濃い減塩水 大さじ1
・小麦粉 大さじ2
・サラダ油 大さじ1
・A[水2/3カップ、砂糖大さじ2、しょうゆ、カレー粉各小さじ2]
・B[薄い減塩水小さじ4、酢小さじ2]
【つくり方】
(1) たっぷりの熱湯で大根とニンジンを2分ゆで、ザルに取って手早く冷ます。表面が乾いてきたらボウルに入れ、濃い減塩水をふる。
(2) 鶏肉は小麦粉をまぶす。フライパンにサラダ油を熱して鶏肉を皮目から入れ、中火で3分、返して2分焼く。
(3) (1)を加えて軽く炒め、混ぜ合わせたAを加え混ぜる。煮立ったら弱火にして濡らしたペーパータオルをかぶせ、途中、上下を返して15分ほど煮る。
(4) 火を止め、Bをかけて全体にからめる。
[1人分300kcal]
<ポイント>
大根とニンジンは表面の水分をしっかりとばしてから濃い減塩水をからめ、しっかり下味をつける。
仕上げに薄い減塩水と酢を加えることで味がぼけず、バランスのよいキリッとしまった風味に。
減塩の新常識、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてください。
【料理・監修/小田真規子さん】 雑誌、テレビで紹介するおいしいレシピが大人気。簡単で効果的に減塩できる減塩水を考案。著書に『初めての減塩水cooking』(セブン&アイ出版刊)、『ラクうま!減塩水レシピ(宝島社刊)』など